登録販売者試験 過去問題
目次
2018年 富山 石川 岐阜 静岡 愛知 三重の過去問題(午前)
医薬品に共通する特性と基本的な知識
主な医薬品とその作用
医薬品に共通する特性と基本的な知識
問1 医薬品に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 医薬品は、知見の積み重ねによって、有効性、安全性等に関する情報が集積されていく。
2 医薬品には、人体に取り込まれて作用し、効果を発現させるものはない。
3 医薬品が人体に及ぼす作用は複雑、かつ、多岐にわたり、そのすべては解明されていない。
4 人体に対して使用されない医薬品がある。
問2 いわゆる健康食品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 特定保健用食品については、「特定の保健機能の表示」、例えばキシリトールを含む食品に対して「虫歯の原因になりにくい食品です」などの表示が許可されている。
b いわゆる健康食品には、カプセル、錠剤等の医薬品と類似した形状のものはない。
c 医薬品を扱う者は、いわゆる健康食品が法的にも、また安全性や効果を担保する科学的データの面でも医薬品とは異なるものであることを認識し、消費者に指導・説明を行わなくてはならない。
d いわゆる健康食品は、健康増進や維持の助けとなることを目的としているため、健康被害を生じることはない。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正
問3 医薬品のリスク評価に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 医薬品の効果とリスクは、薬物曝露時間と曝露量との積で表現される用量-反応関係に基づいて評価される。
b 少量の投与であれば医薬品を長期投与しても慢性的な毒性が発現することはない。
c 薬効-薬理試験、一般薬理作用試験、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、生殖・発生毒性試験、遺伝毒性試験、がん原性試験などが厳格に実施されている。
d ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準として、国際的に Good Laboratory Practice(GLP)が制定されている。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、d)
4(c、d)
問4 医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 医薬品の副作用には、アレルギー(過敏反応)によるものがある。
b 複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用が、その疾病に対して薬効をもたらす一方、別の疾病に対しては症状を悪化させることがある。
c 副作用には日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じる重大なものが含まれ、眠気や口渇等は含まれない。
d 医薬品を使用する人が副作用をその初期段階で認識することにより、副作用の種類に応じて速やかに適切に処置し、又は対応し、重篤化の回避が図られることが重要である。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
問5 アレルギー(過敏反応)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a アレルギーは、一般的にあらゆる物質によって起こり得るものである。
b 外用薬では、アレルギーは引き起こされない。
c 医薬品の使用においては、鶏卵や牛乳等に対するアレルギーがある人への配慮は必要ない。
d 体の各部位に生じる炎症であるアレルギー症状として、流涙や眼の痒み等の結膜炎症状、 鼻汁やくしゃみ等の鼻炎症状、蕁麻疹や湿疹、かぶれ等の皮膚症状等が見られる。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問6 医薬品の販売に従事する登録販売者が購入者に行った対応に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 医薬品を継続して使用する場合には、特段の異常が感じられなくても医療機関を受診するよう伝えた。
b 医薬品の必要以上の大量購入や頻回購入などを試みる購入者に対し事情を尋ねた上で、販売を差し控えた。
c 誤解や認識不足による不適正な使用や、それに起因する有害事象の発生の防止を図るため、購入者の理解力や医薬品を使用する状況等に即して説明した。
d 医薬品を使用する前に添付文書や製品表示を必ず読むよう伝えた。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問7 相互作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 酒類(アルコール)が医薬品の吸収や代謝に影響を与えることはない。
b 相互作用を回避するには、ある医薬品を使用している期間やその前後を通じて、その医薬品との相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならないのが通常である。
c ハーブ等として流通している食品が、医薬品の効き目や副作用を増強させることがある。
d 複数の疾病を有する人では、疾病ごとにそれぞれ医薬品が使用されるので、医薬品同士の相互作用に関しては特に注意する必要はない。
1(a、c)
2(b、c)
3(b、d)
4(a、d)
問8 医薬品の副作用に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、( a )、 治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に( b )用いられる量で発現する医薬品の有害( c )意図しない反応」とされている。
a b c
1 診断 通常 かつ
2 検査 通常より多く かつ
3 検査 通常より多く 又は
4 診断 通常より多く かつ
5 診断 通常 又は
問9 小児が医薬品を使用する際に留意すべき事項に関する記述について、( )の中に入れ るべき字句の正しい組み合わせはどれか。
小児は大人と比べて、身体の大きさに対して腸が( a )、服用した医薬品の吸収率が相対的に( b )。また、血液脳関門が未発達であるため、( c )に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。
a b c
1 短く 低い 中枢神経系
2 長く 高い 中枢神経系
3 短く 高い 末梢神経系
4 長く 低い 中枢神経系
5 長く 高い 末梢神経系
問10 小児における医薬品の使用にあたって重要な事項に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 一般に乳幼児は、容態が変化した場合に自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品を使用した後は、保護者等が乳幼児の状態をよく観察する。
2 家庭内において、小児が容易に手に取れる場所や、小児の目につく場所に医薬品を置かない。
3 乳児がカプセル剤を服用する際はそのまま飲み下すことが難しいので、通常、カプセルを外して中身を飲ませる。
4 乳児は、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限(夜間等、医師の診療を受けることが困難な場合)にとどめるのが望ましい。
問11 高齢者における医薬品の使用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として70歳以上を「高齢者」としている。
b 複数の医薬品が長期間にわたって使用される場合には、副作用を生じるリスクが低い。
c 喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり、内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすい。
d 手先の衰えのため医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい場合がある。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、d)
4(c、d)
問12 医薬品の使用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 生活習慣病等の慢性疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品の有効性や安全性に影響を与えることがある。
b 過去に医療機関で治療を受けていた(今は治療を受けていない)かどうかについては、一般用医薬品の使用にあたって考慮する必要はない。
c 母体が医薬品を使用した場合に、血液-胎盤関門によって、どの程度医薬品の成分の胎児への移行が防御されるかは、未解明のことも多い。
d 母乳を与える女性(授乳婦)が使用した医薬品の成分が、乳汁中に移行することはない。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
問13 医薬品の使用に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせ はどれか。なお、同じ記号の( )には、同じ字句が入る。
医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることを ( a )という。( a )は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与して生じると考えられている。( a )によってもたらされる反応や変化は( b )、 それを目的として医薬品が( c )。
a b c
1 プラセボ効果 不確実であり 使用されるべきではない
2 副作用 不確実であるが 使用されるべきである
3 相互作用 確実であり 使用されるべきである
4 副作用 確実であるが 使用されるべきではない
5 プラセボ効果 不確実であるが 使用されるべきである
問14 医薬品の保管及び品質保持に関する記述について、正しいものはいくつあるか。
a 適切な保管・陳列がなされなければ、医薬品の効き目が低下したり、人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがある。
b 医薬品は、適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。
c 表示されている「使用期限」は、開封前、開封後を問わずに品質が保持される期限である。
d 医薬品は、高温、多湿、直射日光等の下に置かれることのないよう留意する必要がある。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 正しいものはない
問15 一般用医薬品の販売に従事する専門家の対応に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 激しい腹痛(症状が重い)の訴えに対し、整腸剤で様子を見るよう伝えた。
2 体調の不調や軽度の症状等に一般用医薬品を使用して対処している場合に、一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられなくても使用を継続するよう伝えた。
3 必ず医薬品の販売に結びつくよう情報提供した。
4 単に専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけでなく、説明した内容が購入者等にどう理解され、行動に反映されているか、などの実情を把握しながら情報提供した。
問16 一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 購入者が健康への高い関心を有する生活者として参加意識を持って、医薬品を使用する状況等について自らの意志で伝えてもらえるよう促していくことが重要である。
b 購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することが重要である。
c 医薬品の販売に従事する専門家が、可能な限り、購入者側の個々の状況の把握に努めることが重要である。
d 購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しく、コミュニケーションが成立しがたい場合は、添付文書を読むよう伝えるのみで支障ない。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問17 医薬品医療機器等法第4条第5項第4号で規定される一般用医薬品の定義について、( ) の中に入れるべき字句はどれか。
医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、 ( )その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)をいう。
1 医師
2 薬剤師
3 登録販売者
4 製造業者
5 製造販売業者
問18 HIV訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a HIV訴訟の和解を踏まえ、製薬企業に対し、従来の副作用報告に加えて感染症報告が義務づけられた。
b HIV訴訟の和解を踏まえ、血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られた。
c HIV訴訟の和解を踏まえ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者に対する恒久対策として、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院が整備された。
d 1996年3月に大阪地裁・東京地裁での和解が成立した後、医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を重ねていくことを銘記した「誓いの碑」が建立された。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問19 サリドマイドに関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
a サリドマイド訴訟は、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、視聴覚等の感覚器や心肺機能の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
b 1961年11月、西ドイツのレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、日本でも翌月から回収が行われた。
c 血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体( S 体)のみが有する作用であり、もう一方の異性体( R 体)にはないため、 R 体のサリドマイドを分離して製剤化すれば催奇形性を避けることができる。
d サリドマイドによる薬害事件により、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識された。
1(a、c)
2(b、c)
3(b、d)
4(a、d)
問20 薬害に関する記述について、誤っているものはどれか。
1 クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、ウイルスで汚染されたヒト乾燥硬膜の原料が、化学的処理が行われないまま脳外科手術で移植に用いられたことにより発生した。
2 生物由来の医薬品等によるヒト免疫不全ウイルス(HIV)やCJDの感染被害が多発したことにかんがみ、生物由来の医薬品等による被害の救済制度が創設された。
3 一般用医薬品の販売等に従事する者は、薬害事件の歴史を十分に理解し、医薬品の副作用等による健康被害の拡大防止に関して、医薬品の情報提供、副作用報告等を通じて、その責務の一端を担っていることを肝に銘じておく必要がある。
4 スモンの症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。
主な医薬品とその作用
問21 かぜに関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 「かぜ」(感冒)は単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といわれている。
b 非感染性であるアレルギーや冷気、乾燥は、かぜの要因にはあたらない。
c かぜの原因となるウイルスは、20種類程度といわれており、それぞれ活動に適した環境があるため、季節や時期などによって原因となるウイルスの種類は異なる。
d インフルエンザ(流行性感冒)は、感染力が強く、また、重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われる。
1(a、c)
2(b、c)
3(b、d)
4(a、d)
問22 かぜ薬の配合成分とその作用との関係の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
(配合成分) (作用)
a ジフェンヒドラミン塩酸塩 - 抗ヒスタミン作用
b セネガ - 抗コリン作用
c コデインリン酸塩 - 去痰作用
d グリチルリチン酸二カリウム - 抗炎症作用
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
問23 痛みや発熱が起こる仕組み及び解熱鎮痛薬の働きに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a プロスタグランジンはホルモンに似た働きをする物質で、体の各部位で発生した痛みが脳へ伝わる際に、そのシグナルを増幅することで痛みの感覚を強めている。
b プロスタグランジンには、脳の下部にある体温を調節する部位(温熱中枢)に作用して、体温を通常よりも高く維持するように調節する働きがある。
c 解熱鎮痛薬は、発熱や痛みの原因となっている病気や外傷を根本的に治すことができる医薬品(内服薬)の総称である。
d 月経そのものが起こる過程にプロスタグランジンは関わっていないため、月経痛(生理痛)には、解熱鎮痛薬の効能・効果が期待できない。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問24 解熱鎮痛薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a サリチルアミドは、水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっている15歳未満の小児に対して使用しても問題はない。
b アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。
c イソプロピルアンチピリンは、ピリン系解熱鎮痛成分として用いられている。
d シャクヤクは、ツヅラフジ科のオオツヅラフジの蔓 つる 性の茎及び根茎を、通例、横切したものを基原とする生薬で、鎮痛、尿量増加(利尿)等の作用を期待して用いられる。
1(a、c)
2(b、c)
3(b、d)
4(a、d)
問25 眠気を促す薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、睡眠改善薬の適用対象ではないとされる。
b ブロモバレリル尿素は胎児に障害を引き起こさない成分として知られており、妊婦又は妊娠していると思われる女性に使用される。
c 加味帰脾湯は、体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの貧血、不眠症、精神不安、神経症に適すとされる。
d 生薬成分のみからなる鎮静薬や漢方処方製剤の場合は、飲酒を避けることとはなっていないが、アルコールが睡眠の質を低下させ、医薬品の効果を妨げることがある。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
問26 めまい(眩暈)及び鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 乗物の運転操作をするときは、乗物酔い防止薬の使用を控える必要がある。
2 乗物酔い防止薬には、主として吐きけを抑えることを目的とした成分も配合されているが、つわりに伴う吐きけへの対処として使用することは適当でない。
3 6歳未満では、自律神経系が未発達であるため、乗物酔いが起こることはほとんどないとされている。そのため、一般用医薬品として、6歳未満を対象とした乗物酔い防止薬は販売されていない。
4 乗物酔いに伴う一時的な症状としてでなく、日常においてめまいが度々生じる場合には、基本的に医療機関を受診するなどの対応が必要である。
問27 小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)及びその配合成分に関する 記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多いが、比較的長期間(1ヶ月位)継続して服用されることはない。
b ゴオウは、緊張や興奮を鎮め、また、血液の循環を促す作用等を期待して用いられる。
c 小児の疳を適応症とする主な漢方処方製剤の1つとして、呉茱萸湯がある。
d カンゾウは、主として健胃作用を期待して用いられる。
1(a、c)
2(b、c)
3(b、d)
4(a、d)
問28 鎮咳去痰薬に配合される代表的な成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ノスカピンは、モルヒネと同じ基本構造を持ち、依存性がある成分であり、麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。
b デキストロメトルファン臭化水素酸塩は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。
c ブロムヘキシン塩酸塩は、気道粘膜からの分泌促進作用・溶解低分子化作用・線毛運動促進作用を示す。
d トラネキサム酸は、気道の炎症を和らげることを目的として、配合される場合がある。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
問29 次の鎮咳去痰薬として用いられる漢方処方製剤のうち、構成生薬にカンゾウを含んでいないものはどれか。
1 柴朴湯
2 神秘湯
3 五虎湯
4 半夏厚朴湯
5 麦門冬湯
問30 口腔咽喉薬及びうがい薬(含嗽薬)に用いられる配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用されても、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性はない。
b 摂取されたヨウ素の一部が乳汁中に移行することが知られているため、母乳を与える女性では、ヨウ素系殺菌消毒成分が配合されたものの使用に留意される必要がある。
c ポビドンヨードが配合された含嗽薬では、その使用によって銀を含有する歯科材料(義歯 等)が変色することがある。
d ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンCと反応すると殺菌作用が増強される。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
問31 胃腸に作用する薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 消化薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐きけ等の症状を緩和することを目的とする医薬品である。
b 味覚や嗅覚に対する刺激作用による健胃成分として、乾燥酵母やカルニチン塩化物が配合されている場合がある。
c スクラルファートはアルミニウムを含む成分であるため、透析を受けている人では使用を避ける必要がある。
d 過剰な胃液の分泌を抑える作用を期待して、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えるロートエキスやピレンゼピン塩酸塩が配合されている場合がある。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問32 瀉下薬の配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 ヒマシ油は、小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用をもたらすとされる。
2 ピコスルファートナトリウムは、小腸で分解されて、小腸への刺激作用を示す。
3 カルメロースナトリウムは、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やすとともに糞便を柔らかくする。
4 マルツエキスは、主成分である麦芽糖が腸内細菌によって分解(発酵)して生じるガスによって便通を促すとされる。
問33 胃腸鎮痛鎮痙薬の使用及び医療機関への受診勧奨に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 腎臓や尿路の病気が疑われる血尿を伴う側腹部の痛みは、胃腸鎮痛鎮痙薬の適用となる症状である。
b 原因不明の腹痛が30分以上続く場合は、医師の診療を受けるまでの当座の対処として、安易に胃腸鎮痛鎮痙薬を使用することは好ましくない。
c 下痢に伴う腹痛については、基本的に下痢への対処が優先され、胃腸鎮痛鎮痙薬の適用となる症状でない。
d 小児では、内臓に異常がないにもかかわらず、へその周りに激しい痛み(ときに吐きけを伴う)が繰り返し現れることがあり(反復性臍疝痛)、数時間以内に自然寛解する場合が多いが、長時間頻回に腹痛を訴えるような場合には、医療機関に連れて行くなどの対応が必要である。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問34 浣腸薬及びその配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 浣腸薬は、便秘の場合に排便を促すことを目的として、直腸内に適用される医薬品であり、剤形には、注入剤(肛門から薬液を注入するもの)のほか、坐剤となっているものもある。
2 注入する薬液は人肌程度に温めておくと、不快感を生じることが少ない。
3 浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して、ビサコジルが用いられる。
4 肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに、グリセリンが配合された浣腸薬が使用されると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)を引き起こすおそれがある。
問35 駆虫薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫と蟯虫である。
b 駆除した虫体や腸管内に残留する駆虫成分の排出を促すため、瀉下薬であるヒマシ油が併用される。
c サントニンは、アセチルコリン伝達を妨げて、回虫及び蟯虫の運動筋を麻痺させる作用を 示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。
d パモ酸ピルビニウムは、蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すとされる。また、赤~赤褐色の成分で、尿や糞便が赤く着色することがある。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問36 強心薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬である。
b センソは、シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化していない、若しくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬である。
c ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬である。
d ロクジョウは、ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬である。
1(a、c)
2(b、c)
3(b、d)
4(a、d)
問37 コレステロールに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a コレステロールは、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質であり、コレステロールの産生及び代謝は、主として腎臓で行われる。
b コレステロールは水に溶けにくい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。
c 血液中のリポタンパク質のうち、低密度リポタンパク質(LDL)が少なく、高密度リポ タンパク質(HDL)が多いと、心臓病や肥満、動脈硬化症等の生活習慣病につながる危険性が高くなる。
d 脂質異常症とは、低密度リポタンパク質(LDL)が140㎎/dL以上、高密度リポタンパ ク質(HDL)が40㎎/dL未満、中性脂肪が150㎎/dL以上のすべてを満たす状態をいう。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
問38 貧血用薬の配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 骨髄での造血機能を高める目的で、硫酸コバルトが配合されている場合がある。
2 補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で、硫酸銅が配合されている場合がある。
3 消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つ目的で、葉酸が配合されている場合がある。
4 エネルギー合成を促進する目的で、硫酸マンガンが配合されている場合がある。
問39 痔の薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 内用痔疾用薬は、比較的緩和な抗炎症作用、血行改善作用を目的とする成分のほか、瀉下・ 整腸成分等が配合されたもので、外用痔疾用薬と併せて用いると効果的なものである。
b 外用痔疾用薬のうち坐剤は、成分が直腸粘膜から吸収されて循環血流中に入ることはない。
c リドカインが配合された注入軟膏は、皮膚や粘膜などの局所に適用されると、その周辺の知覚神経に作用して刺激の伝達を不可逆的に遮断する作用を示すが、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。
d ステロイド性抗炎症成分が配合された坐剤及び注入軟膏では、その含有量によらず長期連用を避ける必要がある。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問40 外用痔疾用薬の配合成分に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 アミノ安息香酸エチルは、痔に伴う痛み・痒みを和らげることを目的として配合される。
2 メチルエフェドリン塩酸塩は、血管収縮作用による止血効果を期待して配合されるが、心 臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがある。
3 クロタミトンは、痔疾患に伴う局所の感染を防止することを目的として配合される。
4 タンニン酸は、粘膜表面に不溶性の膜を形成することによる、粘膜の保護・止血を目的として配合される。
問41 第1欄の記述は、泌尿器用薬として用いられる漢方処方製剤に関するものである。該当する 漢方処方製剤は第2欄のどれか。
第1欄
体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、口渇があるも のの排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、痒 かゆ み、夜尿症、しびれに適すとされるが、胃腸が弱く 下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
第2欄
1 猪苓湯
2 茵蔯蒿湯
3 当帰飲子
4 麻子仁丸
5 六味丸
問42 婦人薬の適用対象となる体質・症状と婦人薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、 正しい組み合わせはどれか。
a 血の道症とは、臓器・組織の形態的異常がなく、抑鬱や寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態であり、更年期(閉経周辺期)に限って現れる。
b 婦人薬は、月経及び月経周期に伴って起こる症状を中心として、女性に現れる特有な諸症状(血行不順、自律神経系の働きの乱れ、生理機能障害等の全身的な不快症状)の緩和と、 保健を主たる目的とする医薬品である。
c 妊娠中の女性ホルモンの補充を目的として、女性ホルモン成分の使用が推奨されている。
d 女性ホルモン成分の長期連用により血栓症を生じるおそれがあり、また、乳癌や脳卒中などの発生確率が高まる可能性もあるため、継続して使用する場合には、医療機関を受診するよう促すべきである。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
問43 構成生薬としてダイオウを含有する医薬品については、妊婦又は妊娠していると思われる女性、授乳婦における使用に関して留意する必要がある。 1~5で示される婦人薬のうち、構成生薬としてダイオウを含有する医薬品にあたるものはどれか。
1 温経湯
2 桂枝茯苓丸
3 柴胡桂枝乾姜湯
4 桃核承気湯
5 加味逍遙散
問44 アレルギー(過敏反応)及びアレルギー用薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 皮膚症状が治まると喘息が現れるというように、種々のアレルギー症状が連鎖的に現れる場合は、一般用医薬品によって一時的な対処を図るよりも、医療機関で総合的な診療を受けた方がよい。
b メチルエフェドリン塩酸塩は、血管収縮作用により痒みを鎮める効果を期待して、アレルギー用薬に用いられることがある。
c ケイガイは、モクレン科のタムシバ等の蕾を基原とする生薬で、鎮静、鎮痛の作用を期待してアレルギー用薬に用いられることがある。
d プソイドエフェドリン塩酸塩は依存性のない成分であり、長期連用が推奨される。
1(a、b)
2(b、c)
3(c、d)
4(a、d)
問45 鼻炎用点鼻薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a スプレー式鼻炎用点鼻薬は、噴霧後に鼻汁とともに逆流する場合があるので、使用前に鼻をよくかんでおく必要がある。
b ベンゼトニウム塩化物は、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合される局所麻酔成分である。
c クロモグリク酸ナトリウムは、アレルギー性ではない鼻炎や副鼻腔炎に対して有効である。
d ナファゾリン塩酸塩が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が収縮しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問46 点眼薬に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 点眼の際に容器の先端が眼瞼(まぶた)や睫毛(まつげ)に触れると、雑菌が薬液に混入して汚染を生じる原因となるため、触れないように注意しながら1滴ずつ正確に点眼する。
2 点眼薬の1滴の薬液の量は、結膜嚢の容積よりも少ないため、副作用を抑えて、より高い効果を得るには、薬液が結膜嚢内に行き渡るよう一度に数滴点眼することが効果的とされる。
3 点眼後は、数秒間、眼瞼(まぶた)を閉じて、薬液を結膜嚢内に行き渡らせる。その際、目頭を押さえると、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされる。
4 1回使い切りタイプとして防腐剤を含まない点眼薬では、ソフトコンタクトレンズ装着時に使用できるものがある。
問47 眼科用薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を期待して、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)が配合されている場合がある。
b ヒスタミンの働きを抑えることにより、目の痒みを和らげることを目的として、クロルフェニラミンマレイン酸塩が配合されている場合がある。
c 結膜を通っている血管を収縮させて目の充血を除去することを目的として、テトラヒドロゾリン塩酸塩が配合されている場合がある。
d 眼粘膜のタンパク質と結合して皮膜を形成し、外部の刺激から保護する作用を期待して、硫酸亜鉛水和物が配合されている場合がある。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問48 きず口等の殺菌消毒薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a アクリノールは、比較的刺激性が高く、創傷患部にしみやすい。
b オキシドール(過酸化水素水)は、組織への浸透性は高いが、刺激性がない。
c ヨードチンキは、化膿している部位に使用された場合、かえって症状を悪化させるおそれがある。
d エタノール(消毒用エタノール)は、皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避けるべきとされる。
1(a、b)
2(b、c)
3(c、d)
4(a、d)
問49 外皮用薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ヒドロコルチゾンは、末梢組織(患部局所)における炎症を抑える作用を示すが、副作用として、細菌、真菌、ウイルス等による皮膚感染(みずむし・たむし等の白癬症、にきび、化膿症状)や持続的な刺激感が現れることがある。
b デキサメタゾンは、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)に共通する化学構造を持たない非ステロイド性抗炎症成分である。
c きり傷、擦り傷等の創傷面の痛みや、あせも、虫さされ等による皮膚の痒みを和らげることを目的として、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム等の局所麻酔成分が配合されている場合がある。
d 損傷皮膚の組織の修復を促す作用を期待して、アラントインが配合されている場合がある。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問50 毛髪用薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ヒノキチオールは、抗菌、血行促進、抗炎症などの作用を期待して用いられる。
b カルプロニウム塩化物は、末梢組織(適用局所)において抗コリン作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。
c チクセツニンジンは、ウコギ科のトチバニンジンの根茎を、通例、湯通ししたものを基原とする生薬で、血行促進、抗炎症などの作用を期待して用いられる。
d クロトリマゾールは、女性ホルモン成分の一種であり、脱毛抑制効果を期待して用いられる。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、d)
4(c、d)
問51 歯痛・歯槽膿漏薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a フェノールは、歯痛薬(外用)に配合されている場合があるが、粘膜刺激を生じることがあるため、歯以外の口腔粘膜や唇に付着しないように注意が必要である。
b ジブカイン塩酸塩は、歯の齲蝕(むし歯)により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として、歯痛薬(外用)に用いられる。
c セチルピリジニウム塩化物は、歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることを目的として、歯槽膿漏薬に配合されている場合がある。
d 歯槽膿漏薬は、患部局所に適用する外用薬のほか、内服で用いる歯槽膿漏薬もあるが、内服薬と外用薬を併せて用いることは避けなければならない。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問52 口内炎及び口内炎用薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 医薬品の副作用として口内炎を生じることはない。
b 口内炎の再発を繰り返す場合には、ベーチェット病などの可能性も考えられるので、医療機関を受診するなどの対応が必要である。
c 口内炎用薬は、口腔内に適用されるため、ステロイド性抗炎症成分が配合されている場合であっても、長期連用を避ける必要はない。
d 口内炎用薬には、患部からの細菌感染を防止することを目的として、クロルヘキシジン塩酸塩等の殺菌消毒成分が配合されている場合がある。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、d)
4(c、d)
問53 ニコチン及びニコチンを有効成分とする禁煙補助剤に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 咀嚼剤は、大量に使用しても禁煙達成が早まるものでなく、かえってニコチン過剰摂取による副作用のおそれがある。
b 妊婦又は妊娠していると思われる女性、母乳を与える女性では、禁煙することが推奨されるので、禁煙補助剤を積極的に使用することが望ましい。
c インスリン製剤を使用している人は、ニコチンがインスリンの血糖降下作用に拮抗して、 効果を妨げるおそれがあるため、禁煙補助剤を使用する前に、治療を行っている医師又は処方薬を調剤した薬剤師に相談するなどの対応が必要である。
d 禁煙補助剤に配合されるニコチンは、アドレナリン作動成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、痔疾用薬等)との併用により、その作用を減弱させるおそれがある。
1(a、c)
2(b、c)
3(b、d)
4(a、d)
問54 滋養強壮保健薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a アミノエチルスルホン酸(タウリン)は、肝臓機能を改善する働きがあるとされる。
b グルクロノラクトンは、軟骨組織の主成分で、軟骨成分を形成及び修復する働きがあるとされる。
c へスぺリジンは、ビタミン様物質のひとつで、ビタミンCの吸収を助ける等の作用があるとされる。
d ガンマ-オリザノールは、米油及び米胚芽油から見出された抗酸化作用を示す成分であるため、同様の作用を有するビタミンEと組み合わせて配合することは避けることとされる。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
問55 滋養強壮保健薬のうち、ビタミン主薬製剤の配合成分とその配合目的との関係の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
(配合成分) (配合目的)
a エルゴカルシフェロール - くる病の予防
b リボフラビン酪酸エステル - 目の充血、目の痒みの症状の緩和
c ビスチアミン硝酸塩 - 月経不順の症状の緩和
d アスコルビン酸ナトリウム - 脚気の症状の緩和
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
問56 一般用医薬品として使用される漢方処方製剤に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 漢方処方製剤を使用する場合、患者の「証」に合った漢方処方が選択されれば効果が期待でき、合わない漢方処方が選択されたとしても、副作用を招きにくいとされる。
2 漢方処方製剤の使用においても、間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがある。
3 漢方処方を構成する生薬には、複数の処方で共通しているものがあり、同じ生薬を含む漢方処方製剤を併用した方が効果が高く、副作用の恐れもない。
4 漢方処方製剤には、医療用医薬品と相互作用を示すものはない。
問57 感染症の防止及び消毒薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 滅菌は生存する微生物の数を減らすために行われる処置であり、また殺菌・消毒は物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することである。
b クレゾール石鹸液は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示す。
c トリクロルイソシアヌル酸等の有機塩素系殺菌消毒成分は、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。
d 消毒薬が微生物を死滅させる仕組み及び効果は、殺菌消毒成分の種類、濃度、温度、時間、 消毒対象物の汚染度、微生物の種類や状態などによって異なる。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
問58 衛生害虫と殺虫剤・忌避剤及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 シラミの防除には、医薬品による方法以外に、散髪や洗髪、入浴による除去、衣服の熱湯処理などの物理的方法もある。
2 忌避剤は人体に直接使用され、蚊、ツツガムシ、ノミ等が人体に取り付いて吸血したり、病原細菌等を媒介するのを防止することに加え、虫さされによる痒みや腫れなどの症状を和 らげる効果もある。
3 ディートを含有する忌避剤(医薬品及び医薬部外品)は、生後6ヶ月未満の乳児については、顔面への使用を避け、1日の使用限度(1日2回)を守って使用する必要がある。
4 プロポクスルに代表されるカーバメイト系殺虫成分は、神経細胞に直接作用して神経伝達物質を阻害することにより殺虫作用を示す。
問59 一般用検査薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 専ら疾病の診断に使用されることが目的とされる医薬品のうち、人体に直接使用されるものを体外診断用医薬品という。
b 尿タンパクを検査する場合、激しい運動の直後の採尿は避ける必要がある。
c 通常、尿は弱アルカリ性であるが、食事その他の影響で中性~弱酸性に傾くと、正確な検査結果が得られなくなることがある。
d 生体から採取された検体には予期しない妨害物質や化学構造がよく似た物質が混在することがあり、いかなる検査薬においても擬陰性・擬陽性を完全に排除することは困難である。
1(a、c)
2(b、c)
3(b、d)
4(a、d)
問60 妊娠検査薬に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
一般的な妊娠検査薬は、( a )が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されている。検体としては、尿中( b )が検出されやすい( c )に採取した尿が向いている。
a b c
1 月経予定日 ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG) 早朝(起床直後)
2 排卵予定日 エストラジオール 就寝前
3 月経予定日 エストラジオール 就寝前
4 月経予定日 ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG) 就寝前
5 排卵予定日 ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG) 早朝(起床直後)
以上2018年 富山 石川 岐阜 静岡 愛知 三重の過去問題(午前)の問題60問でした。
ぜひ採点して、出来なかった問題、迷った問題の確認をしてみましょう。
答えはこちら
お疲れさまでした。