2017年【福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第2章 人体の働きと医薬品 問11~20
問11 中枢神経系に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 脊椎は、脊髄の中にある。
2 脊髄が末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合を脊髄反射と呼ぶ。
3 脳は、延髄を介して脊髄とつながっている。
4 脳内には多くの血管が通っており、脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高い。
問12 交感神経系が副交感神経系より優位に働いたときの効果器とその反応の関係について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
効果器 反応
ア 目 ― 瞳孔収縮
イ 気管支 ― 拡張
ウ 胃 ― 胃液分泌亢進
エ 腸 ― 運動低下
1(ア、ウ)
2(ア、エ)
3(イ、ウ)
4(イ、エ)
問13 薬の吸収、代謝及び排泄に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 代謝とは、物質が体内で化学的に変化することである。
2 経口投与後、消化管で吸収された医薬品の有効成分は、消化管の毛細血管から血液中へ移行する。
3 血漿タンパク質と医薬品の有効成分の複合体は、腎臓で濾過される。
4 最近の研究により、小腸などの消化管粘膜や腎臓には、医薬品に対するかなり強い代謝活性があることが明らかにされている。
問14 医薬品の剤形に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 錠剤(内服)は、胃や腸で崩壊し、有効成分が溶出することが薬効発現の前提となる。
イ 顆粒剤は、粒の表面がコーティングされているものもあるので、服用するときは、噛み砕かずに水などで食道に流し込む。
ウ チュアブル錠とは、口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用する剤形であり、水なしでも服用できる。
エ クリーム剤は、適用部位を水から遮断したい場合に用いることが多い。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 誤
解説
ア.正
イ.正
ウ.正 :ちなみにトローチ、ドロップは飲まずに舐めて口腔内に使用する。
エ.誤 :水から遮断したい場合=軟膏剤、クリーム剤=水で洗い流したい場合
正解 2
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問15 皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを一つ選びなさい。
ア 皮膚粘膜眼症候群は、38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態である。
イ 皮膚粘膜眼症候群の発症機序の詳細は既に解明されており、正確な発症の予測が可能である。
ウ 中毒性表皮壊死融解症は、全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらん等が認められ、かつ、口唇の発赤・びらん、眼の充血等の症状を伴う病態である。
エ 皮膚粘膜眼症候群と中毒性表皮壊死融解症は、いずれも原因医薬品の使用開始後1ヶ月以上経ってから起こることがある。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正
解説
ア.正
イ.誤 :皮膚粘膜眼症候群は発生機序不明で予想は困難
ウ.正
エ.正 :通常2週間以内の発生だが、一ヶ月以降で発症する場合もある。
正解 3
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問16 医薬品の副作用に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 医薬品により生じる肝機能障害は、有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものと、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに大別される。
イ 肝機能障害の主な症状である黄疸は、ビリルビン(黄色色素)が胆汁中へ排泄されることにより生じる。
ウ 偽アルドステロン症とは、体内にカリウムが貯留し、体から塩分(ナトリウム)と水が失われることによって生じる病態であり、主な症状に、手足の脱力、血圧上昇、筋肉痛等を生じる。
エ 偽アルドステロン症は、小柄な人や高齢者で生じやすく、原因医薬品の長期服用後に初めて発症する場合がある。
1(ア、ウ)
2(ア、エ)
3(イ、ウ)
4(イ、エ)
解説
ア.正
イ.誤 :ビリルビンが血液中に排泄されることで生じる。
ウ.誤 :ナトイウムと水分を貯留し、カリウムが低下する。上記の他に浮腫みが起こる。
エ.正
正解 2
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問17 精神神経系に現れる医薬品の副作用に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 医薬品の副作用によって中枢神経系が影響を受け、物事に集中できない、落ち着きがなくなる、不眠、不安等の症状を生じることがある。
2 精神神経症状は、医薬品の大量服用や長期連用、乳幼児への適用外の使用等の不適正な使用がなされた場合に限られ、通常の用法・用量では発生しない。
3 無菌性髄膜炎は、多くの場合、発症は急性で、首筋のつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱、吐き気、嘔吐、意識混濁等の症状が現れる。
4 心臓や血管に作用する医薬品により、頭痛やめまい、浮動感(体がふわふわと宙に浮いたような感じ)、不安定感(体がぐらぐらする感じ)等が生じることがある。
問18 消化器系に現れる医薬品の副作用に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 消化性潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜組織が傷害されて、その一部が粘膜筋板を超えて欠損する状態である。
イ 消化性潰瘍では、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなどの症状が現れる。
ウ イレウス様症状は、医薬品の作用によって腸管運動が亢進した状態で、激しい腹痛、嘔吐、軟便や下痢が現れる。
エ 浣腸剤や坐剤の使用では、消化器系の副作用は現れない。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
解説
ア.正
イ.正
ウ.誤 :イレウス様症状は腸管の通過障害により、腹痛、嘔吐、便秘が起こる。
エ.誤 :浣腸剤、坐薬使用で熱感、不快感、立ち眩みが現れる場合がある。
正解 2
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問19 呼吸器系に現れる医薬品の副作用に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 間質性肺炎は、気管支又は肺胞が細菌に感染して炎症を生じたものであり、血液に酸素を十分取り込むことができず、体内は低酸素状態となる。
イ 間質性肺炎の症状は、一般的に、原因となる医薬品を使用して1~2時間程度の短時間で起きることが多い。
ウ 喘息は、合併症を起こさない限り、原因となった医薬品の有効成分が体内から消失すれば症状は寛解するが、重症例では窒息による意識消失から死に至る危険性もある。
エ 過去に医薬品で喘息発作を起こしたことがある人は、 副作用の喘息が重症化しやすいため、同種の医薬品の使用を避ける必要がある。
1(ア、イ)
2(ア、エ)
3(イ、ウ)
4(ウ、エ)
解説
ア.誤 :肺胞、毛細血管を取り囲む間質が炎症を起こしたもの。
イ.誤 :間質性肺炎=通常1~2週間程度で起こる。(喘息=通常1時間以内)
ウ.正
エ.正
正解 4
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問20 皮膚に現れる医薬品の副作用に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 接触性皮膚炎は、医薬品が触れた皮膚の部分にのみ生じる。
イ 光線過敏症は、医薬品が触れた部分だけでなく、全身へ広がって重篤化する場合がある。
ウ 薬疹はあらゆる医薬品で起きる可能性があり、特に、発熱を伴って眼や口腔粘膜に異常が現れた場合は、急に重篤な病態へ進行することがある。
エ 薬疹は医薬品の使用後1~2週間で起きることが多いが、長期使用後に現れることもある。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
出題範囲の解説ページまとめ
問11~12 :第2章-7日目:Ⅰ-⑦ 脳や神経系の働き
問13~14 :第2章-8日目:Ⅱ- 薬の生体内運命
問15~20:第2章-9日目:Ⅲ症状からみた主な 副作用