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2章:人体の働きと医薬品

第2章-8日目:Ⅱ- 薬の働く仕組み

更新日:

薬の働く仕組み

登録販売者試験の解説とポイントを過去問題にフォーカスして記載していきます。

また厚生労働省の試験問題作成の手引きを基に分かり易い内容に変えて解説しています。

実際の過去問題から作成したポイントテストもありますので、
是非解いて見てくださいね。

独学で学ばれている方も含め問題なく解けることが実感できるかと思います。

今回は第2章のⅡ薬が働く仕組みについて解説いたします。毎年3問から5問は出題されています。

また第2章全体のポイントについては、第2章-1日目:Ⅰ-①:消化器系をご覧ください。
(所要時間 22分)

 

Ⅱ 薬の働く仕組み

医薬品の作用には、全身作用と局所作用の2種類に大別できる。

  • 全身作用:消化管からの吸収、代謝と作用部位への分布という過程を経るため、ある程度の時間が必要である
  • 局所作用:使用したところに作用する場合が多く、比較的速やかに作用する

内服薬

全身作用を示すものが多いが、膨潤性下剤[ぼうじゅんせいげざい]や生菌製剤[せいきんせいざい]等のように、有効成分が消化管内で局所作用を示す医薬品もある。

逆に胃腸に作用する薬であっても、有効成分が循環血液中に入ってから薬効を示す場合、全身作用となる。

※膨潤性下剤とは、腸管内で水分を吸収し膨張することで排便を促す医薬品。

※生菌製剤とは、生きたビフィズス菌などで、消化管内細菌叢のバランスを改善することにより整腸作用を得る医薬品。

 

外用薬

局所作用を示すものが多い。また、坐剤[ざざい]、経皮吸収製剤等では、適用部位から吸収された有効成分が、全身作用を示す場合もある。 

副作用は局所作用を目的とする医薬品によって全身性の副作用が生じたり、逆に、全身作用を目的とする医薬品で局所的な副作用が生じることもある。

※坐剤とは、肛門に挿入し直接粘膜から吸収させることで効果を得る医薬品。

※経皮吸収製剤とは、直接皮膚から吸収させることで効果を得る医薬品。

 

1)薬の生体内運命 

(a)吸収と、(b)代謝・排泄の2つに分けて説明します。

 

(a) 有効成分の吸収 

①消化管吸収
②内服以外の粘膜吸収
③皮膚吸収

① 消化管吸収

内服薬のほとんどは、その有効成分が消化管から吸収されて循環血液中に移行し、全身作用を現す。

錠剤、カプセル剤等の固形剤の場合、錠剤等が消化管内で崩壊し胃で有効成分が溶出するものが大部である。
※腸で溶ける腸溶性製剤や効成分がゆっくりと溶出する徐放性製剤もある。

有効成分は主に小腸で吸収される。

消化管からの吸収は、消化管が積極的に医薬品成分を取り込むのではなく、濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象である。

有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品によって影響を受ける。また、有効成分によっては消化管の粘膜に障害を起こす場合もある。全身作用を目的としない内服薬中には消化管内を通過する間に結果的に吸収されてしまうものがある。その場合、循環血液中に移行した有効成分によって、好ましくない作用を生じることがある。 

 

② 内服以外の用法における粘膜からの吸収 

適用部位からも作用部位の局所作用と有効成分を吸収させて、全身作用を示すものがある。

粘膜からの吸収は消化管と異なり、初めに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布する。医薬品によっては、適用部位の粘膜に刺激等の局所的な副作用を生じることがある。また有効成分の急激な吸収による全身性の副作用を回避するため、粘膜に障害があるときは使用を避けるべきである。 

直腸からの吸収

坐剤は肛門から医薬品を挿入することにより、直腸内で溶解させ、直腸粘膜から有効成分を吸収させるものである。直腸の粘膜下には静脈が豊富に分布して通っており、有効成分は容易に循環血液中に入るため、内服の場合よりも全身作用が速やかに現れる。

口腔粘膜からの吸収

抗狭心症薬のニトログリセリン(舌下錠、スプレー)や禁煙補助薬のニコチン(咀嚼剤)は有効成分が口腔粘膜から吸収されて全身作用を現す。 

鼻腔粘膜からの吸収

鼻腔の粘膜に医薬品を適用する場合、一般用医薬品には全身作用を目的とした点鼻薬はなく、いずれの医薬品も、鼻腔粘膜への局所作用を目的として用いられている。しかし、鼻腔粘膜の下には毛細血管が豊富なため、点鼻薬の成分は循環血液中に移行しやすく、全身性の副作用を生じることがある。

眼粘膜からの吸収

眼の粘膜に適用する点眼薬は、鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収されることがある。従って、眼以外の部位に到達して副作用を起こすことがあるため、場合によっては点眼する際には目頭の鼻涙管の部分を押さえることによって、有効成分が鼻に流れるのを防ぐ必要がある。 

咽頭粘膜からの吸収

咽頭の粘膜に適用する含嗽薬(うがい薬)等の場合は、その多くが唾液や粘液によって食道へ流れてしまうため、咽頭粘膜からの吸収が原因で全身的な副作用が起こることは少ない。ただし、アレルギー反応は微量の抗原でも生じるため、点眼薬や含嗽薬[がんそうやく](うがい薬)等でもショック(アナフィラキシー)等のアレルギー性副作用を生じることがある。 

 

③ 皮膚吸収 

皮膚に適用する医薬品(塗り薬、貼り薬等)は、適用部位に対する局所的な効果を目的とするものがほとんどである。殺菌消毒薬等のように、有効成分が皮膚の表面で作用するものもあるが、有効成分が皮膚から浸透して体内の組織で作用する医薬品の場合は、浸透する量は皮膚の状態、傷の有無やその程度などによって影響を受ける。 

通常は、皮膚表面から循環血液中へ移行する量は比較的少ないが、粘膜吸収の場合と同様に、血液中に移行した有効成分は、肝臓で代謝を受ける前に血流に乗って全身に分布するため、全身作用、副作用が現れることがある。

 

ポイントテスト1

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1) 局所作用は、医薬品の適用部位が作用部位である場合が多いため、反応は全身作用と比較して速やかに現れる。

(2) 内服薬は、全身作用を示すものが多いが、膨潤性下剤のように、有効成分が消化管内で作用するものもあり、その場合に現れる作用は局所作用である。

(3)外用薬は、適用部位に対する局所的な効果を目的としたもので、全身作用を目的としたものはない。

(4) 一般に、消化管からの吸収は、消化管が積極的に医薬品成分を取り込む現象である。 

(5)有効成分が皮膚から浸透して体内の組織で作用する医薬品の場合は、浸透する量は皮膚の状態、傷の有無やその程度などによって影響を受ける。

 

 

回答と解説
ポイントテスト1
(1)○
(2)○
(3)×:坐剤や経皮吸収製剤は適用部位から吸収され全身作用を示す。
(4)×:濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象である
(5)○:粘膜も同様です。

 

 

(b) 薬の代謝、排泄 

代謝:

物質が体内で化学的に変化することであるが、その結果、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、あるいは体外へ排泄 されやすい水溶性の物質に変化したりする。 

排泄 :

尿等で体外へ排出されることであり、有効成分は未変化体のままで、あるいは代謝物として、腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、又は肺から呼気中へ、その他に汗中や母乳中などから排出される。

母乳中への移行は、乳児に対する副作用の発現という点で、軽視することはできない。 

① 消化管で吸収されてから循環血液中に入るまでの間に起こる代謝 

消化管で吸収された有効成分は、消化管の毛細血管から血液中へ移行する。その血液は全身循環に入る前に門脈という血管を経由して肝臓を通過するため、吸収された有効成分は、まず肝臓の酵素の働きにより代謝を受けることになる。これを肝初回通過効果という。最近の研究により消化管粘膜、腎臓にも代謝活性が明らかになった。

肝機能が低下した人では医薬品を代謝する能力が低いため、効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。

 

② 循環血液中に移行した有効成分の代謝と排泄

代謝は肝臓、排泄は腎臓がメインです。

循環血液中に移行した多くの有効成分は血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成する。複合体を形成している有効成分の分子には薬物代謝酵素の作用で代謝されず、またトランスポーターによって輸送されることもない。したがって、代謝や分布が制限されるため、血中濃度の低下は徐々に起こる。

なおタンパク質との結合は速やかかつ可逆的である。

循環血液中に存在する有効成分の多くは、腎臓から尿中に排泄される。腎機能が低下すると尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくい。そのため、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。また、血漿タンパク質との複合体は腎臓でろ過されないため、作用が持続する原因となる。 

 

ポイントテスト2

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)医薬品の有効成分が代謝を受けると、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり (代謝的活性化)、あるいは体外へ排泄されやすい脂溶性の物質に変化する。

(2)排泄とは、代謝によって生じた物質(代謝物)が尿等で体外へ排出されることであり、医薬品の有効成分は未変化体のままで、あるいは代謝物として、腎臓から尿中へ、肝臓から胆汁中へ、又は肺から呼気中へ排出される。

(3)肝機能が低下した人では、医薬品を代謝する能力が低いため、正常な人に比べて全身循環に到達する有効成分の量がより多くなり、効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。

(4) 医薬品の有効成分と血漿タンパク質との複合体は、腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まることになり、作用が持続する原因となる。 

(5)循環血液中に移行した有効成分は、主として肥満細胞の薬物代謝酵素の働きによって代謝を受ける。

 

 

回答と解説
ポイントテスト2
(1)×:代謝により水溶性の物質に変化し、排泄されやすくなります。
(2)○
(3)○
(4)○:腎臓は分子の大きなタンパク質、血球は濾過できません。
(5)×:肝臓細胞の代謝酵素により代謝されます。

 

 

2)薬の体内での働き 

全身作用を示す医薬品の多くの場合、標的となる細胞に存在する受容体酵素トランスポーターなどのタンパク質と結合し、薬効や副作用を現す。

そのため、医薬品が効果を発揮するためには、有効成分がその作用部位で一定以上の濃度で分布する必要がある。

医薬品を使用すると
①吸収し、血中濃度が上昇

②最小有効濃度(閾値)を超えると薬効が現れる。

血中濃度はある時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は低下していく
※代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回るためである。

④血中濃度が最小有効濃度を下回ると、薬効は消失する。

大量に摂取したり、間隔をあけずに追加摂取したりして血中濃度を高くしても、ある濃度以上になるとより強い薬効は得られなくなり、有害な作用(副作用や毒性)は現れやすくなる。

全身作用を目的とする医薬品の多くは、最小有効濃度未満の濃度域(無効域)と、毒性が現れる濃度域(危険域、中毒域ともいう)の間の範囲(有効域、治療域ともいう)に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められている。 

 

ポイントテスト3

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身の組織・器官へ運ばれて作用するが、多くの場合、標的となる細胞に存在する受容体、酵素、トランスポーターなどのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す。 

(2)医薬品が摂取され、その有効成分が循環血液中に移行すれば、その血中濃度に関わらず生体の反応としての薬効が現れる。 

(3)一度に大量の医薬品を摂取したり、十分な間隔をあけずに追加摂取したりして血中濃度を高くしても、ある濃度以上になるとより強い薬効は得られなくなる。 

(4)有効成分の血中濃度は、ある時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は低下していくが、これは代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回るためである。

(5)薬効よりも毒性が強く現れる有効成分の血中濃度域を無効域という。 

 

 

回答と解説
ポイントテスト3
(1)○
(2)×:最小有効濃度を超えたとき薬効が表れる。
(3)○:薬効とは別に副作用が表れやすくなる。
(4)○
(5)×:無効域は作用が表れない域、毒性が強くなる濃度域は中毒域

 

 

3)剤形ごとの違い、適切な使用方法 

全身作用のための剤型の例

錠剤(内服)、口腔用錠剤、カプセル剤、散剤・顆粒剤、経口液剤・シロップ剤等

局所作用のための剤型の例

軟膏 こう 剤、クリーム剤、外用液剤、貼付剤、スプレー剤等がある。
※貼付剤など、全身作用の医薬品もある。

(a) 錠剤(内服)

錠剤は、内服用医薬品の剤形として最も広く用いられている。

特徴
・飛散させずに服用できる
・苦味や刺激性を感じない

デメリット
高齢者、乳幼児等の場合、飲み込みにくい。
適切な量の水(又はぬるま湯)とともに飲み込まなければならない。
※錠剤が喉や食道に張り付いてしまうことがあり、喉や食道の粘膜を傷めるおそれがある。 

備考
錠剤(内服)は、胃や腸で崩壊し、有効成分が溶出することが薬効発現の前提となる。基本的に噛み砕いて服用してはならない。
特に腸内で溶解する腸溶錠の場合等は、注意が必要です。 

 

(b) 口腔用錠剤

口腔内崩壊錠 
口の中の唾液で速やかに溶けるため水なしで服用することができる。

チュアブル錠 
口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用する剤形であり、水なしでも服用できる。 

トローチ、ドロップ 
口腔内や喉で薬効を示すものが多く、飲み込まずに口の中で舐めて、徐々に溶かして使用する。 
※飲み込みません(服用しない)

よくこの違いが出題されています。

 

(c) 散剤、顆粒剤 

特徴
粉末状の散剤、粒状の顆粒剤は錠剤よりも服用しやすい

デメリット
歯に挟まったり、苦味や渋味を感じる。

備考
飛散を防ぐため、あらかじめ少量の水を口に含んだ上で服用したり、何回かに分けて少しずつ服用するなどの工夫をするとよい。顆粒剤は粒の表面がコーティングされているものもあるので、噛み砕かずに水などで食道に流し込む。 

 

(d) 経口液剤、シロップ剤 

特徴
飲み込みやすく、服用後、比較的速やかに消化管から吸収される。

デメリット
経口液剤では苦味やにおいが強く感じられることがある。

備考
小児に用いる医薬品の場合、白糖等の糖類を混ぜたシロップ剤とすることが多い。シロップ剤は粘りがあって容器に残りやすいので、残った部分を水ですすいで、すすぎ液も飲むなどの工夫が必要である。 

 

(e) カプセル剤

カプセル剤は、カプセル内に散剤や顆粒剤、液剤等を充填した剤形である。
その特徴は錠剤とほぼ同様であるが、原材料として用いられているゼラチンはブタなどのタンパク質を主成分としているため、ゼラチンに対してアレルギーを持つ人は使用を避けるなどの注意が必要である。

 

(f) 外用局所に適用する剤形

① 軟膏剤、クリーム剤 
基剤の違いにより、軟膏剤とクリーム剤に大別される。有効成分が適用部位に留まりやすいという特徴がある。
・軟膏剤  :水から遮断したい場合(脂溶性)
・クリーム剤:水で洗い流したい場合(水溶性)

軟膏・クリームの違いもよく出題されます。

② 外用液剤 
外用の液状製剤である。患部が乾きやすいという特徴がある。適用部位に直接的な刺激感等を与える場合がある。 

③ 貼付剤
テープ剤及びパップ剤がある。有効成分が一定時間留まるため、薬効の持続が期待できる反面、適用部位にかぶれやすい。 

④ スプレー剤 
霧状にする等して局所に吹き付ける剤形である。塗りにくい部位や、広範囲に適用する場合に適している

 

ポイントテスト4

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)有効成分を消化管から吸収させ、全身に分布させることにより薬効をもたらすための剤形としては、錠剤(内服)、カプセル剤、散剤・顆粒剤、経口液剤・シロップ剤等が ある。 

(2)有効成分を患部局所に直接適用する剤形としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤、貼付剤、スプレー剤等がある。 

(3) 口腔内崩壊錠は、薬効を期待する部位が口の中や喉である場合が多く、飲み込まずに口の中で舐めて徐々に溶かして使用する。

(4)外用局所に適用する剤形のうち、軟膏剤とクリーム剤は、有効成分が適用部位に留まりやすいという特徴があり、一般的には、患部が乾燥していたり患部を水で洗い流したい場合等には軟膏剤を用いることが多い。 

(5)顆粒剤は、粒の表面がコーティングされているものもあるので、噛かみ砕かずに水などで食道に流し込む。

 

 

回答と解説
ポイントテスト4
(1)○
(2)○
(3)×:トローチ・ドロップの解説 口腔内崩壊錠は唾液で溶けるため水ないしで服用が可能
(4)×:後半の記載はクリームの記載 軟膏は水を遮断させたい時
(5)○


お疲れ様です。薬の働く仕組みについて解説いたしました。そこまで難しい問題はでませんので、文を読み問題を解いておけば、大丈夫です。

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