2章:人体の働きと医薬品

第2章-7日目:Ⅰ-⑦: 脳や神経系の働き

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脳 神経

登録販売者試験の解説とポイントを過去問題にフォーカスして記載していきます。

また厚生労働省の試験問題作成の手引きを基に分かり易い内容に変えて解説しています。

実際の過去問題から作成したポイントテストもありますので、
是非解いて見てくださいね。

独学で学ばれている方も含め問題なく解けることが実感できるかと思います。

今回は第2章のⅠ人体の構造を働き:⑦ 脳、神経系の働き から続きをしていきます。第2章のⅠ人体の構造を働きのラストです。

また第2章全体のポイントについては、第2章-1日目:Ⅰ-①:消化器系をご覧ください。
(所要時間 11分)

 

4 脳や神経系の働き

人間の身体を総合的に制御する部分を中枢といい、中枢によって制御される部分を末梢と呼びます。

体内の情報伝達の大半を担う組織として、神経細胞(神経線維ともいう)が連なった神経系があり、神経系にも中枢神経[ちゅうすいしんけい]末梢神経[まっしょうしんけい]の2種類があります。

中枢神経が末梢神経をコントロールしています。

いわば、中枢神経が司令塔で、末梢神経は情報を中枢へ伝えたり、中枢からの指示を各器官へ伝達しています。

1)中枢神経

中枢神経系は脊髄から構成されています。

脳:

脳は、記憶、情動、意思決定等の働きを行っており、脳の下部には、自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)があります。 

脳における細胞同士の複雑かつ活発な働きのため、脳内には多くの血管が通り、栄養を運んでいます。

●血液の循環量は心拍出量の約15

●酸素の消費量は全身の約20

●ブドウ糖の消費量は全身の約25% 

下の図のように覚えてはいかがでしょうか?残りのブドウ糖は25%と覚えれば区別できます。

脳の血液循環量脳の酸素消費量

脳には血液脳関門が存在し脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、タンパク質などの大分子、また小分子であってもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくくなっています。

小児では、血液脳関門が未発達であるため、医薬品の成分が脳の組織に達しやすいです。 

 

延髄[えんずい]:(脳の一部)

脳と脊椎をつないでおり、延髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢等があります。複雑な機能の場合はさらに上位の脳の働きによって制御されています。 

 

脊髄[せきずい]:

脊椎の中にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合があり、これを脊髄反射と呼びます。

 

ポイントテスト1

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1) 脳の血管は、末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、タンパク質などの大分子や、小分子でもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい。

(2)脳の下部には、自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)がある。

(3)脳において、血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%、ブドウ糖の消費量は全身の約75%である。 

(4)延髄は多くの生体の機能を制御する部位であるが、複雑な機能の場合は さらに上位の脳の働きによって制御されている。 

(5)脊髄は、脊椎の中にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合があり、これを脊髄反射と呼ぶ。 

 

 

回答と解説
ポイントテスト1
(1)○
(2)○
(3)×:ブドウ糖消費量は全身の25%
(4)○
(5)○

 

2)末梢神経系 

末梢神経系は、体性神経系自律神経系の2種類に分けられます。

  • 体性神経系:随意運動に関与する運動神経と、知覚に関与する感覚神経
  • 自律神経系:交感神経系副交感神経系からなり、呼吸や血液循環等、生命や身体機能の維持のため無意識に働く

 

自律神経系の働き

各臓器・器官(効果器)に対して、交感神経と副交感神経の二つの神経線維が支配しています(自律神経の二重支配)

通常、交感神経系と副交感神経系は、互いに拮抗して働き、一方が活発なときには他方は活動を抑制して、効果器を制御しています。 各神経は、それぞれの神経線維の末端から神経伝達物質を放出し、効果器を作動させています。

  • 交感神経系 :体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働き、神経伝達物質ノルアドレナリン※放出
    ※ただし、汗腺(エクリン腺)を支配する交感神経線維の末端では、例外的にアセチルコリンが伝達物質として放出されます。
         汗腺(アポクリン腺)は通常通りノルアドレナリンが放出されます。
  • 副交感神経系:体が食事や休憩等の安息状態となるように働き、 神経伝達物質アセチルコリンを放出
交感神経がアクセル(走っている時)、副交感神経がブレーキ(休憩している時)を想像しましょう。
効果器 交感神経 副交感神経
瞳孔散大 瞳孔収縮
唾液腺 少量の粘性の高い唾液 唾液分泌亢進
心臓 心拍増加 心拍減少
末梢血管 収縮→血圧上昇 拡張→血圧降下
気管、気管支 拡張 収縮
血管の収縮 胃液分泌亢進
運動低下 運動亢進
肝臓 グリコーゲン分解(ブドウ糖の放出)  グリコーゲン合成
膀胱 排尿筋弛緩(排尿抑制 排尿筋収縮(排尿促進

 

ポイントテスト2

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)自律神経系は、交感神経系と副交感神経系からなる。 

(2)交感神経系は、概ね、体が食事や休憩等の安息状態となるように働く。

(3) 副交感神経系が活発になると、肝臓でのグリコーゲンの分解が促進される。 

(4)交感神経系は、体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働くため、心臓に対しては心拍数を増加させ、胃に対しては胃液分泌を亢進させる。

(5) 医薬品の成分が体内で薬効又は副作用をもたらす際は、自律神経系への作用や影響は重要でない。

 

 

回答と解説
ポイントテスト2
(1)○
(2)×:交感神経ではなく、副交感神経
(3)×:分解ではなく、合成
(4)×:胃液分泌の亢進は副交感神経が優位な時
(5)×:自律神経を刺激する薬剤もある


全7回に分けて人体について解説しましたが、これで人体の勉強は終了です。ここから医薬品にシフトしていきますよ!お疲れさまでした。

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