2018年【埼玉 千葉 東京 神奈川】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第2章 人体の働きと医薬品 問11~20
問11 脳や神経系の働きに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 延髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢がある。
b 末梢神経系は、随意運動、知覚等を担う体性神経系と、呼吸や血液の循環等のように生命や身体機能の維持のため無意識に働いている機能を担う自律神経系に分類される。
c 気管及び気管支は、交感神経系が活発になると収縮し、副交感神経系が活発になると拡張する。
d 局所(腋窩等)に分布するアポクリン腺を支配する交感神経線維の末端ではノルアドレナリンが神経伝達物質として放出される。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 正
3 正 正 誤 正
4 誤 誤 正 誤
5 正 誤 正 誤
解説
- 正
- 正
- 誤:気管、気管支は交感神経系が活発になると弛緩し、副交感神経系により収縮します。
- 正:エクリン腺の交感神経線維の末端ではアセチルコリンが放出されます。
正解 3
出題範囲の解説ページ
問12 医薬品の作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身の組織・器官へ運ばれて作用するが、多くの場合、標的となる細胞に存在する受容体などのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す。
b 皮膚に適用する医薬品(塗り薬、貼り薬等)は、通常、皮膚表面から循環血液中へ移行する有効成分の量が比較的少ないため、適用部位の面積(使用量)や使用回数、その頻度などにかかわらず全身作用が現れることはない。
c 内服した医薬品が全身作用を現わすまでには、消化管からの吸収、代謝と作用部位への分布という過程を経るため、ある程度の時間が必要であるのに対し、局所作用は、医薬品の適用部位が作用部位である場合が多いため、反応は比較的速やかに現れる。
a b c
1 正 誤 誤
2 正 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 正 誤
5 誤 誤 正
問13 医薬品の有効成分の吸収に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 消化管における有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品の作用によって影響を受ける。
b 一般に、消化管からの吸収は、消化管が積極的に医薬品の有効成分を取り込む現象である。
c 坐剤の有効成分は、直腸内壁の粘膜から吸収され、容易に循環血液中に入り、初めに肝臓で代謝を受けてから全身に分布する。
d 眼の粘膜に適用する点眼薬の有効成分は、鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収されることがあるため、眼以外の部位に到達して副作用を起こすことがある。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 誤 正 誤
問14 医薬品の有効成分の代謝及び排泄に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 多くの医薬品の有効成分は、血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成しており、その複合体は腎臓で濾過されないため、医薬品の有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。
b 経口投与後、消化管で吸収された有効成分は、全身循環に入る前に門脈という血管を経由して肝臓を通過するため、吸収された有効成分は、まず肝臓に存在する酵素の働きにより代謝を受ける。
c 肝初回通過効果とは、全身循環に移行する有効成分の量が、消化管で吸収された量よりも肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなることをいう。
a b c
1 正 正 正
2 誤 誤 正
3 誤 誤 誤
4 正 正 誤
5 誤 正 正
問15 医薬品の剤形に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 錠剤(内服)は、胃や腸で崩壊し、有効成分が溶出することが薬効を発現する前提となるため、例外的な場合を除いて、口中で噛み砕いて服用してはならない。
b 口腔内崩壊錠は、薬効を期待する部位が口の中や喉に対するものである場合が多く、飲み込まずに口の中で舐めて、徐々に溶かして使用する。
c 経口液剤は、既に有効成分が液中に溶けたり分散したりしているため、服用後、比較的速やかに消化管から吸収されるという特徴がある。
d チュアブル錠は、表面がコーティングされているものもあるので、噛み砕かずに水などで食道に流し込む必要がある。
1(a、b)
2(a、c)
3(a、d)
4(b、d)
5(c、d)
解説
- 正
- 誤:口腔内崩壊錠ではなく、トローチやドロップの説明文
- 正
- 誤:チュアブルは舐めたり、嚙み砕いて、水なしで服用できる剤形です。
正解 2
出題範囲の解説ページ
問16 皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 皮膚粘膜眼症候群は、最初に報告した二人の医師の名前にちなんでスティーブンス・ ジョンソン症候群とも呼ばれており、その発生頻度は人口100万人当たり年間1~6人と報告されている。
b 中毒性表皮壊死融解症は、皮膚粘膜眼症候群と関連のある病態と考えられており、中毒性表皮壊死融解症の症例の多くが皮膚粘膜眼症候群の進展型とみられている。
c 中毒性表皮壊死融解症は、発熱は生じないが、広範囲の皮膚に発赤が生じ、全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらん等が認められる。
d 皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症は、多臓器障害の合併症等により致命的な転帰をたどることがあるが、皮膚症状が軽快した後は、眼や呼吸器等に障害が残ることはない。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、c)
4(b、d)
5(c、d)
問17 医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品の使用により生じる肝機能障害は、有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものと、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに大別される。
b 黄疸とは、グロブリンが胆汁中へ排出されず、血液中に滞留することにより生じる、 皮膚や白眼が黄色くなる病態である。
c 偽アルドステロン症とは、アルドステロン分泌が増加していないにもかかわらず、体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、体からカリウムが失われることによって生じる病態である。
a b c
1 誤 正 正
2 正 正 正
3 正 誤 誤
4 正 誤 正
5 誤 正 誤
問18 精神神経系に現れる医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 精神神経症状は、医薬品の大量服用や長期連用、乳幼児への適用外の使用等の不適正な使用がなされた場合に限らず、通常の用法・用量でも発生することがある。
b 無菌性髄膜炎の症状は、首筋のつっぱりを伴う激しい頭痛、発熱、吐きけなどが現れるものであり、早期に原因医薬品の使用を中止しても回復せず、予後不良となることがほとんどである。
c 心臓や血管に作用する医薬品の使用により、頭痛やめまい、浮動感(体がふわふわと宙に浮いたような感じ)、不安定感(体がぐらぐらする感じ)等が生じることがある。
a b c
1 正 正 正
2 正 誤 誤
3 誤 正 正
4 誤 正 誤
5 正 誤 正
問19 医薬品の副作用として現れる消化性潰瘍及びイレウス様症状に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 消化性潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜組織が傷害されて、その一部が粘膜筋板を超えて欠損する状態をいう。
b 消化性潰瘍では、胃のもたれ、食欲低下、胸やけ、吐きけ、胃痛、空腹時にみぞおちが痛くなる、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなどの症状が現れる。
c イレウス様症状は、医薬品の作用によって腸管運動が亢進した状態で、激しい腹痛、嘔吐、軟便や下痢が現れる。
d イレウス様症状は、悪化すると、腸内容物の逆流による嘔吐が原因で脱水症状を呈したり、腸内細菌の異常増殖によって全身状態の衰弱が急激に進行する可能性がある。
a b c d
1 誤 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 正 誤
5 正 正 正 正
問20 医薬品の副作用として現れる間質性肺炎及び喘息に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 間質性肺炎の症状は、かぜや気管支炎の症状と区別が難しいこともある。
b 間質性肺炎は、一般的に原因となる医薬品の使用開始から1~2日程度で起きることが多い。
c 喘息は、一般的に原因となる医薬品を使用後、1~2週間程度で起きることが多い。
a b c
1 正 誤 誤
2 正 正 誤
3 誤 正 誤
4 誤 誤 正
5 正 誤 正
出題範囲の解説ページまとめ
問11 :第2章-7日目:Ⅰ-⑦ 脳や神経系の働き
問12~15:第2章-8日目:Ⅱ- 薬の生体内運命
問16~20:第2章-9日目:Ⅲ症状からみた主な 副作用