2018年【埼玉 千葉 東京 神奈川】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第3章 主な医薬品とその作用 問11~20
問11 胃腸に作用する薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 制酸薬は、胃液の分泌低下に伴う腹部の不快感、吐きけ等の症状を緩和することを目的とする。
b 消化薬は、炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補う等により、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的とする。
c 細菌性の下痢や食中毒のときには、収斂成分を主体とする止瀉薬を使用すべきである。
d 制酸成分と健胃成分は、同時に配合されることもある。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、c)
4(b、d)
5(c、d)
解説
- 誤:制酸薬は酸の中和や胃液の分泌を抑える医薬品である。
- 正
- 誤:細菌性の下痢や食中毒の際は、収斂成分を主体とする止瀉薬により、症状が悪化する場合がある。
- 正
正解 4
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(b:第3章-8日目:Ⅲ-② 腸の薬)
問12 胃の薬の配合成分とその目的とする作用の組合せのうち、正しいものの組合せはどれか。
配合成分 目的とする作用
a 炭酸水素ナトリウム ― 消泡
b ゲファルナート ――― 胃粘膜保護・修復
c テプレノン ――――― 苦味による健胃
d ロートエキス ―――― 胃液分泌抑制
1(a、b)
2(a、c)
3(a、d)
4(b、d)
5(c、d)
問13 止瀉薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a オウバクは、収斂作用のほか、抗菌作用、抗炎症作用も期待して用いられる。
b 木クレオソートは、腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させることを目的として用いられる。
c ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢のほか、食あたりや水あたりによる下痢の症状を鎮めることを目的として用いられる。
d 次没食子酸ビスマスは、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として用いられる。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
解説
- 正:オウバクは苦味健胃薬でもあり、ベルベリン成分を含有する。
- 誤:木クレゾールは腸内殺菌成分です。
- 誤:ロペラミドは食あたりや水あたりのような感染性の下痢の場合には症状を悪化するおそれがある。
- 誤:次没食子酸ビスマスなどの収斂成分は細菌感染や食中毒の時に使用すると、症状が悪化するおそれがある。
正解 3
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問14 瀉下薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ジオクチルソジウムスルホサクシネートは、腸内細菌によって分解(発酵)して生じるガスによって便通を促すことを目的として用いられる。
b 酸化マグネシウムは、腸内容物の浸透圧を高めることにより、糞便中の水分量を減らす作用がある。
c ビサコジルは、大腸のうち特に結腸や直腸の粘膜を刺激して、排便を促すと考えられている。
d マルツエキスは、瀉下薬としては比較的作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられる。
1(a、b)
2(a、c)
3(a、d)
4(b、d)
5(c、d)
解説
- 誤:ジオクチルソジウムスルホサクシネートは腸内容物に水分が浸透しやすくする作用による瀉下薬
- 誤:酸化マグネシウムは、腸内容物の浸透圧を高めることにより、糞便中の水分量を増やす作用がある。
- 正
- 正
正解 5
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問15 次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。
体力中等度以下で、ときに便が硬く塊状なものの便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常醗酵、痔の緩和 に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が 現れやすい等、不向きとされる。また、本剤を使用している間は、他の瀉下薬の使用を避 ける必要がある。
1 桔梗湯
2 麻子仁丸
3 牛車腎気丸
4 大黄牡丹皮湯
5 桂枝加芍薬湯
解説
漢方処方のキーワードを記載
- 誤:桔梗湯=体力に関わらず、喉が腫れて痛みときに咳が出る
- 正:麻子仁丸=便が硬く塊状なもの
- 誤:牛車腎気丸=尿量減少、高血圧に伴う随伴症状
- 誤:大黄牡丹皮湯=下腹部痛があって、便秘しがちな人の月経不順
- 誤:桂枝加芍薬湯=しぶり腹
正解 2
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問16 胃腸に作用する薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a エンゴサク(ケシ科のエンゴサクの塊茎)は、鎮痛鎮痙作用を期待して用いられる。
b メチルベナクチジウム臭化物は、交感神経の伝達物質であるノルアドレナリンと受容体の反応を妨げることで、消化管の運動や胃液の分泌を抑える。
c パパベリン塩酸塩は、抗コリン成分であり、胃腸の痙攣を鎮める作用のほか、胃液分泌抑制作用も示す。
d オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される。
1(a、b)
2(a、c)
3(a、d)
4(b、c)
5(c、d)
解説
- 正
- 誤:メチルベナクチジウム臭化物=副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げる。
- 誤:パパベリンは抗コリン成分ではなく、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める。
- 正
正解 3
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問17 駆虫薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a マクリ(フジマツモ科のマクリの全藻を基原とする生薬)は、回虫の駆除を目的として配合される。
b サントニンは、蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すとされるが、尿や 糞便が赤く着色することがある。
c パモ酸ピルビニウムは、回虫の自発運動を抑える作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として配合される。
d 駆除した虫体や腸管内に残留する駆虫成分の排出を促すために併用する瀉下薬として、ヒマシ油が用いられる。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 正 誤 誤 正
5 正 正 正 正
解説
- 正:マクリにはカイニン酸の成分を含み、回虫に痙攣を起こさせる作用を示す。
- 誤:サントニンではなく、パモ酸ピルビニウムの説明文
- 誤:パモ酸ピルビニウムではなく、サントニンの説明文
- 誤:駆虫薬はヒマシ油との併用により、駆虫薬の吸収が高まり副作用が生じる危険性が高まるため、併用は避ける必要がある。
正解 1
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問18 強心薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a レイヨウカクは、シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄の幼角を用いた生薬で、強心作用のほか、強壮、血行促進等の作用があるとされる。
b ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬で、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高める等の作用があるとされる。
c インヨウカクは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下等の作用があるとされる。
d ジンコウは、ウグイスガイ科のアコヤガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 誤 誤
解説
- 誤:レイヨウカクではなく、ロクジョウの説明文です。
- 正
- 誤:インヨウカクではなく、ゴオウの説明文です。
- 誤:ジンコウではなく、シンジュの説明文です。
正解 5
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問19 コレステロールに関する次の記述について、 ( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
コレステロールは水に( a )物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。リポタンパク質は比重によっていくつかの種類に分類されるが、そのうち低密度リポタンパク質(LDL)は、コレステロールを( b ) から( c )へと運ぶリポタンパク質である。
a b c
1 溶けやすい 末梢組織 肝臓
2 溶けやすい 肝臓 末梢組織
3 溶けにくい 末梢組織 肝臓
4 溶けにくい 肝臓 末梢組織
5 溶けにくい 末梢組織 腎臓
問20 次の記述にあてはまる循環器用薬の配合成分はどれか。
心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって血液循環の改善効果を示すとされ、軽度な心疾患により日常生活の身体活動を少し越えたときに起こる動悸、息切れ、むくみの症状に用いられる。小児において心疾患によるこれらの症状があるような場合には、医師の診療を受けることが優先されるべきであり、15歳未満の小児向けの一般用医薬品はない。
1 ルチン
2 コウカ
3 ユビデカレノン
4 ヘプロニカート
5 イノシトールヘキサニコチネート
解説
- 誤:ルチン=高血圧等における毛細血管の補強・強化
- 誤:コウカ=末梢の血行を促して鬱血を取り除く作用
- 正
- 誤:ヘプロニカート=ニコチン酸が遊離し、ニコチン酸による末梢の血液循環を改善
- 誤:イノシトールヘキサニコチネートもヘプロニカートと同様の作用
正解 3
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出題範囲の解説ページまとめ
問11~12 :第3章-7日目:Ⅲ-① 胃の薬
問13~15 :第3章-8日目:Ⅲ-② 腸の薬
問16~17 :第3章-9日目:Ⅲ-③胃腸鎮痛鎮痙、浣腸、 駆虫薬
問18~19 :第3章-10日目:Ⅳ-① 強心薬 、高コレステロール