2017年【福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第5章 医薬品の適正使用・安全対策 問11~20
問11 緊急安全性情報に関する以下の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 厚生労働省からの命令、指示に基づいて作成されるため、製造販売業者の自主決定に基づいて作成されることはない。
2 1週間以内に情報伝達されなければならない。
3 医薬品、医療機器又は再生医療等製品について緊急かつ重大な注意喚起や使用制限に係る対策が必要な状況にある場合に作成される。
4 A4サイズの青色地の印刷物でブルーレターとも呼ばれる。
解説
- 誤 :製造販売業者の自主決定の場合もあります。
- 誤 :一ヶ月以内に製造販売業者から医療機関や薬局等への直接配布、メール、ファックス、電子メール等による情報提供
- 正 :安全性速報も同様ですが、医薬品、医療機器、再生医療等製品が対象です。
- 誤 :黄色地でイエローレターとも呼ばれます。ブルーレター=安全性速報
正解 3
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問12 以下のうち、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の「医薬品医療機器情報提供ホームページ」に掲載されている情報として、誤っているものを一つ選びなさい。
1 製造販売業者や医療機関から報告された、医薬品による副作用が疑われる症例情報
2 医薬品の承認情報
3 医薬品の販売店舗の一覧表
4 患者向医薬品ガイド・くすりのしおり
5 一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報
問13 以下の成分のうち、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、添付文書の「次の人は使用(服用)しないこと」欄に「6歳未満の小児」と記載されるものとして、正しいものを一つ選びなさい。
1 イブプロフェン
2 サリチル酸ナトリウム
3 ジフェンヒドラミン塩酸塩
4 アミノ安息香酸エチル
5 エストラジオール
問14 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度の目的は、医薬品の使用、販売等に携わり、副作用等が疑われる事例に直接に接する医薬関係者からの情報を広く収集することによって、医薬品の安全対策のより着実な実施を図ることである。
イ 医薬品の使用上の注意に記載されていない副作用の症状は、その医薬品との因果関係が明確でないため、報告の対象とはならない。
ウ 医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定に基づく医薬品の副作用報告において、登録販売者からの報告期限は特に定められていないが、適宜やかに報告することとされている。
エ 複数の登録販売者が医薬品の販売等に携わっている場合は、当該薬局又は医薬品の販売業において販売された医薬品の副作用等によると疑われる健康被害の情報に接したすべての登録販売者が報告書を提出しなければならない。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
解説
ア.正
イ.誤 :因果関係が明確でなくとも、医薬品による副作用が疑われる場合は報告の対象となる。
ウ.正
エ.誤 :関係した専門家1名からの報告で十分である。
正解 3
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問15 医薬品の副作用情報等の収集、評価及び措置の内容に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 医薬品の製造販売業者は、承認を受けた医薬品について、その医薬品によるものと疑われる重篤な副作用症例(死亡含む。)の発生が使用上の注意から予測できないものであったときは、その旨15日以内に厚生労働大臣に報告しなければならない。
2 医薬品の製造販売業者は、医療用医薬品で使用されていた有効成分を一般用医薬品で初めて配合したものについては、承認条件として承認後の一定期間(概ね3年)、安全性に関する調査及び調査結果の報告を求められる。
3 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度等の各制度により集められた副作用情報については、厚生労働省において専門委員の意見を聴きながら調査検討が行われる。
4 登録販売者は、医薬品の製造販売業者が行う医薬品の適正な使用のために必要な情報の収集に協力するよう努めなければならない。
解説
- 正 :国内。海外問わず、使用上の注意から予測できない死亡、重篤は15日以内、非重篤は定期報告
- 正 :全く新しい成分については、10年を超えない範囲(概ね8年)の再審査制度がある。
- 誤 :厚生労働省ではなく、製造販売業者において、評価・検討され、そのほか、総合機構にて調査検討が行われる。
- 正
正解 3
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問16 医薬品副作用被害救済制度に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 健康被害を受けた本人(又は家族)の給付請求を受けて、その健康被害が医薬品の副作用によるものかどうか、医薬品が適正に使用されたかどうかなど、医学的薬学的判断を要する事項について独立行政法人医薬品医療機器総合機構の諮問・答申を経て、厚生労働大臣が判定する。
イ 医薬品を適正に使用したにもかかわらず副作用による一定の健康被害が生じた場合に、医療費等の給付を行い、これにより被害者の迅な救済を図ろうという制度である。
ウ 救済給付の対象となる健康被害の程度としては、副作用による疾病のため、入院を必要とする程度の医療を受ける場合や、副作用による重い後遺障害が残った場合である。
エ 要指導医薬品又は一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求に当たっては、要した医療費を証明する書類(領収書等)などのほか、その医薬品を販売した薬局開設者又は医薬品の販売業者の作成した販売証明書が必要となる。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正
解説
ア.誤 :厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の諮問・答申を経て判定する。
イ.正
ウ.正 :かならず入院が必要という訳ではありません。入院必要とする程度の副作用が対象
エ.正 :必要書類は、診断書、要した医療費を証明する書類、販売証明書です。
正解 3
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問17 一般用医薬品の安全対策に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入ります。
( ア )とインターフェロン製剤の併用例による間質性肺炎が報告されたことから、1994年1月、その併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。しかし、それ以降も慢性肝炎患者が( ア )を使用して間質性肺炎が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例もあったことから、1996年3月、厚生省(当時)より関係製薬企業に対して( イ )の配布が指示された。
また、2003年5月までに、( ウ )の使用によると疑われる間質性肺炎の発生事例が計26例報告されたことから、同年6月、厚生労働省は、( ウ )全般につき使用上の注意の改訂を指示した。その内容は、「まれに間質性肺炎の重篤な症状が起きることがあり、その症状は、かぜの諸症状と区別が難しいため、症状が悪化した場合には服用を中止して医師の診療を受ける」とされた。
ア | イ | ウ | |
1 | 塩酸フェニルプロパノールアミン | 緊急安全性情報 | 一般用かぜ薬 |
2 | 塩酸フェニルプロパノールアミン | 安全性速報 | 一般用かぜ薬 |
3 | 小柴胡湯 | 緊急安全性情報 | 一般用かぜ薬 |
4 | 小柴胡湯 | 安全性速報 | アンプル入りかぜ薬 |
5 | アミノピリン | 緊急安全性情報 | アンプル入りかぜ薬 |
解説
ア.小柴胡湯
イ.緊急安全性情報
ウ.一般用かぜ薬
アミノピリン、スルピリンのアンプル入りかぜ薬については、ショック症状が発現したため、製品回収要請された事例です。
正解 3
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問18医薬品の適正使用及びその啓発活動に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 毎年10月17日~23日の1週間を「薬と健康の週間」として、国、自治体、関係団体等による広報活動やイベント等が実施されており、その目的は、医薬品の持つ特質及びその使用・取扱い等について正しい知識を広く生活者に浸透させることにより、保健衛生の維持向上に貢献することである。
2 薬物乱用や薬物依存は、違法薬物(麻薬、覚せい剤、大麻等)によるものばかりではなく、一般用医薬品によっても生じるおそれがある。
3 青少年では、薬物乱用の危険性に関する認識や理解が必ずしも十分とはいえず、興味本位で薬物を乱用し、乱用者自身の健康を害することがあるが、身近に入手できる薬物には限りがあり、社会的な弊害を生じるおそれは小さい。
4 毎年6月20日~7月19日までの1ヶ月間は、「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」を広く普及し、薬物乱用防止を一層推進するため、国、自治体、関係団体等により、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が実施されている。
問19 一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」欄に「長期連用しないこと」等と記載される薬効群と主な成分、連用してはいけない理由について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
薬効群 | 主な成分 | 理由 | |
ア | 外用鎮痛消炎薬 「長期連用しないこと」 |
インドメタシン | 一定期間又は一定回数使用しても症状の改善がみられない場合は、ほかに原因がある可能性があるため。 |
イ | 胃腸薬、胃腸鎮痛鎮痙薬 「長期連用しないこと」 |
グリチルリチン酸二カリウム(1日用量がグリチルリチン酸として40mg以上、又はカンゾウとして1g以上を含有する場合) |
海外において、長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるため。 |
ウ | 瀉下薬 「連用しないこと」 |
ヒマシ油 | 偽アルドステロン症を生じるおそれがあるため。 |
エ | 漢方製剤 「症状があるときのみの服用にとどめ、連用しないこと」 |
芍薬甘草湯 | 鬱血性心不全、心室頻拍の副作用が現れることがあるため。 |
1(ア、イ)
2(ア、エ)
3(イ、ウ)
4(ウ、エ)
解説
ア.正
イ.誤 :グリチルチリンは抗炎症成分で、偽アルドステロン症を生じるおそれがあるため、連用は避ける。
ウ.誤 :瀉下薬のヒマシ油の理由は一定期間又は一定回数使用しても症状の改善がみられない場合は、ほかに原因がある可能性があるため。
エ.正
正解 2
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問20 一般用医薬品に含まれる成分とその医薬品の添付文書における「次の人は使用(服用)しないこと」欄の記述の関係について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
一般用医薬品に含まれる成分 | 「次の人は使用(服用)しないこと」欄の記述 | |
ア | インドメタシン | 「ぜんそくを起こしたことがある人」 |
イ | アセトアミノフェン | 「15歳未満の小児」 |
ウ | スクラルファート | 「透析療法を受けている人」 |
エ | プソイドエフェドリン塩酸塩 | 「牛乳によるアレルギー症状を起こしたことがある人」 |
1(ア、イ)
2(ア、ウ)
3(イ、エ)
4(ウ、エ)
解説
ア.正
イ.誤 :アセトアミノフェンではなく、アスピリン、サザピリン等
ウ.正 :アルミニウムを含有するため
エ.誤 :プソイドエフェドリンは心臓病、高血圧、糖尿病、甲状腺機能障害、前立腺肥大による排尿障害の人は服用を避ける。
正解 2
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出題範囲の解説ページまとめ
問11~12:第5章-4日目:Ⅰ-④ 製品表示の読み方
問13 :第5章-2日目:Ⅰ-② 「 してはいけないこと 」
問14~15:第5章-5日目:Ⅱ 医薬品の安全対策
問16~18:第5章-6日目:Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ 健康被害の救済
問19~20:第5章-2日目:Ⅰ-② 「 してはいけないこと 」