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5章:医薬品の適正使用・安全対策

第5章-4日目:Ⅰ-④ 製品表示の読み方

イエローレター

登録販売者試験の解説とポイントを過去問題にフォーカスして記載していきます。

厚生労働省の試験問題作成の手引きを基に分かり易い内容に変えて解説しています。

過去問題から作成したポイントテストもありますので、
是非解いて見てくださいね。

独学で学ばれている方も含め問題なく解けることが実感できるかと思います。

今回は第5章Ⅰ-④ 製品表示の読み方から続きをしていきます。これを含めてラスト3ページ!

第5章全体のポイントについては、第5章-1日目:Ⅰ-① 添付文書 の読み方をご覧ください。

 

 

Ⅰ 医薬品の適正使用情報

1) 添付文書 の読み方については、第5章-1日目:Ⅰ-① 添付文書 の読み方を参照してください。

 

2)製品表示の読み方

医薬品の製品表示

第4章で解説した法定表示事項の他にも、製品表示として購入者等における適切な医薬品の選択、適正な使用に資する様々な情報が記載されています。 

法第52条第2項の規定に基づく「用法、用量その他使用及び取扱い上必要な注意」などの記載は添付文書または容器等もしくは外箱いずれかに記載があればよく、医薬品によっては、添付文書の形でなく、外箱等に行っている場合があります。

添付文書がある医薬品の場合、通常、添付文書は外箱の中に入っており購入後にしか確認できないため、購入者等が購入前に医薬品の適切な選択ができるよう、添付文書の内容のうち、効能・効果用法・用量添加物として配合されている成分などのほか、使用上の注意の記載から次の事項については、外箱等にも記載されています。

① 使用上の注意「してはいけないこと」の項
  • 「次の人は使用(服用)しないこと」
  • 「次の部位には使用しないこと」
  • 「授乳中は本剤を服用しないか本剤を服用する場合は授乳を避けること」
  • 「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」など

副作用や事故等が起きる危険性を回避するため記載されています。

これに関連して、1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、例えば「アルコール含有○○mL 以下」のように、アルコールを含有する旨と分量が記載されています。

 

② 添付文書の必読に関する事項 

「使用にあたって添付文書をよく読むこと」など

医薬品だけが取り出され、添付文書が読まれないといったことのないように記載されています。 

 

③ 専門家への相談勧奨に関する事項 

副作用による危険性が高い場合や医師・歯科医師の治療を受けている人で、一般使用者の判断のみで使用することが不適当な場合について記載されています。

記載スペースが狭小な場合には、「使用が適さない場合があるので、使用前には必ず医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」などと記載されています。

 

④ 医薬品の保管に関する事項 

添付文書を見なくても適切な保管がなされるよう容器や包装にも、「保管及び取扱い上の注意」の項のうち、保管に関する注意事項が記載されています。

使用期限の表示

適切な保存条件の下で製造後3年を超えて安定な医薬品においては法的な表示義務はありませんが、流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっています(配置販売される医薬品では、「配置期限」として記載されている場合があります)。 

「使用期限」は未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、開封後は記載期日まで品質が保証されない場合があります。

添付文書に使用期限を記載する義務はありません。

 

他の法令に基づいて製品表示

○ 可燃性ガスのエアゾール製品や消毒用アルコール等、危険物に該当する製品に対する消防法に基づく注意事項(「火気厳禁」など) 
エアゾール製品に対する高圧ガス保安法に基づく注意事項 (「高温に注意」、使用ガスの名称など) 
○ 資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)に基づく、容器包装の識別表示(識別マーク)

 

ポイントテスト1

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)エアゾール製品には、医薬品医療機器等法の規定による法定表示事項のほか、高圧ガス保安法に基づく「高温に注意」等の注意事項が表示されている。

(2)添付文書が外箱に封入されていない医薬品に限り、その容器や包装に、「保管及び取扱い上の注意」の項のうち、医薬品の保管に関する事項が記載されている。

(3)使用期限の表示において、配置販売される医薬品では、「配置期限」として記載されている場合がある。

(4)使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後1年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はない。

(5)1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、アルコールを含有する旨及びその分量

 

 

回答と解説
ポイントテスト1
(1)○
(2)×:添付文書があっても、外箱に記載されている。
(3)○
(4)×:1年ではなく、3年
(5)○

 

 

3)安全性情報など

医薬品の製造販売業者等は、次のことを努めなければなりません。

  • 有効性および安全性に関する事項、適正な使用のために必要な情報を収集し、検討する。
  • 薬局開設者等や従事する薬剤師、登録販売者に情報を提供する。

また広範囲・速やかに医薬関係者へ伝達する必要があるときには、関係機関の協力及び行政庁の関与の下、周知が図られています。 

その方法として、次の4つの代表的な情報伝達手段があります。

 

①【緊急安全性情報】

医薬品医療機器再生医療等製品について緊急かつ重大な注意喚起使用制限に係る対策が必要な状況にある場合に、厚生労働省からの命令指示製造販売業者自主決定などに基づいて作成されます。

A4サイズの黄色地の印刷物で、イエローレターとも呼ばれます。

伝達手段

  • 製造販売業者及び行政当局による報道発表
  • (独)医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」)による医薬品医療機器情報配信サービスによる配信
  • 製造販売業者から医療機関や薬局等への直接配布、メール、ファックス、電子メール等による情報提供(1か月以内)など

小柴胡湯による間質性肺炎に関する緊急安全性情報のように、一般用医薬品にも関係する緊急安全性情報が発出されたこともあります。 

イエローレターの例
(平成19年3月)


(引用:(独)医薬品医療機器総合機構ホームページより)

 

②【安全性報】

医薬品医療機器又は再生医療等製品について一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な注意喚起適正使用のための対応の注意喚起が必要な状況にある場合に、厚生労働省からの命令指示製造販売業者自主決定などに基づいて作成されます。

A4サイズの青色地の印刷物で、ブルーレターとも呼ばれます。

伝達手段

  • 総合機構による医薬品医療機器情報配信サービスによる配信
  • 製造販売業者から医療機関や薬局等への直接の配布、メール、ファクシミリ、電子メール等による情報提供(1か月以内)等

ブルーレターの例
(平成27年2月)

(引用:(独)医薬品医療機器総合機構ホームページより)

 

③【医薬品・医療機器等安全性情報】

厚生労働省においては、医薬品(一般用医薬品を含む)、医療機器などによる重要な副作用不具合などに関する情報を「医薬品・医療機器等安全性情報」として、医薬関係者向けに情報提供を行っています。 

内容

  • 医薬品の安全性に関する解説記事
  • 使用上の注意の改訂内容
  • 主な対象品目、参考文献等

伝達手段

  • 各都道府県、保健所設置市及び特別区、関係学会等への冊子の送付
  • 厚生労働省ホームページ及び総合機構ホームページへ掲載
  • 医学・薬学関係の専門誌等にも転載 

 

④【総合機構ホームページ】

総合機構のホームページでは、添付文書情報「医薬品・医療機器等安全性情報」のほか、以下のような情報が掲載されています。

内容 

  • 厚生労働省が製造販売業者等に指示した緊急安全性情報「使用上の注意」の改訂情報 
  • 製造販売業者等や医療機関等から報告された、医薬品による副作用が疑われる症例情報 
  • 医薬品の承認情報 
  • 医薬品等の製品回収に関する情報 
  • 一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報 
  • 患者向医薬品ガイド 
  • その他、厚生労働省が医薬品等の安全性について発表した資料 

総合機構では、重要な情報が発出されたときにホームページのほか、電子メールによりタイムリーに配信する医薬品医療機器情報配信サービス(PMDA メディナビ)を行っています。

このサービスは誰でも利用可能であり、最新の情報を入手することができます。

 

ポイントテスト2

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)緊急安全性情報は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について緊急かつ重大な注意喚起や使用制限に係る対策が必要な状況にある場合に、作成される。

(2)安全性速報は、A4サイズの黄色地の印刷物で、イエローレターとも呼ばれる。

(3)厚生労働省は、医薬品、医療機器等による重要な副作用、不具合等に関する情報をとりまとめて、「医薬品・医療機器等安全性情報」として、医薬関係者向けに情報提供を行っている。

(4)厚生労働省は、医薬品・医療機器の安全性に関する特に重要な情報を電子メールにより配信する医薬品医療機器情報配信サービスを行っている。

(5)医療用医薬品についての情報伝達である場合が多いが、一般用医薬品にも関係する緊急安全性情報が発出されたこともある。

 

 

回答と解説
ポイントテスト2
(1)○
(2)×:安全性速報ではなく、緊急安全性情報。
(3)○
(4)×:厚生労働省ではなく、総合機構。
(5)○

 

ポイントテスト3

総合機構の「医薬品医療機器情報提供ホームページ」に関する次の記述の正誤を答えよ。

(1)一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報が掲載されている。

(2)厚生労働省より発行される「医薬品・医療機器等安全性情報」が掲載されている。

(3)製造販売業者等や医療機関等から報告された、医薬品による副作用が疑われる症例情報が掲載されている。

(4)一般用医薬品・要指導医薬品に関連した、医薬品の承認情報、医薬品の生産量、生産額及び製品回収に関する情報が掲載されている。

 

 

回答と解説
ポイントテスト3
(1)○
(2)○
(3)○
(4)×:生産量、生産額の記載はない。

 

4)購入者等に対する情報提供への活用 

販売に従事する薬剤師や登録販売者は、医薬品の適正な使用を確保するため製造販売業者等から提供される情報の活用、その他必要な情報の収集、検討及び利用を行うことに努めなければなりません。

 

【添付文書情報の活用】 

令和3年8月1日から、医療用医薬品への紙の添付文書の同梱は廃止され、その容器又被包に注意事項等情報を入手するために必要な符号(バーコード又は二次元コード)を記載することが求められています。この符号を読み取ることで、総合機構のホームページの最新の添付文書等の情報にアクセスすることができます。
一般用医薬品等の消費者が直接購入する製品に関しては、使用時に添付文書情報の内容を直ちに確認できるよう引き続き紙の添付文書が同梱されています。
医薬品の販売に従事する専門家においては、総合機構に掲載されている最新の添付文書情報等を活用して購入者等に対して情報提供を行うことが可能です。

 

【製品表示情報の活用】 

製品表示から読み取れる適正使用情報が有効に活用され、適切な情報提供がなされることも重要です。

要指導医薬品並びに一般用医薬品のリスク区分のうち第一類医薬品及び第二類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるものであり、これらリスク区分に分類されている旨が製品表示から判別できます。

 

【その他の適正使用情報の活用】 

添付文書や外箱表示は記載内容が改訂された場合、反映された製品が流通し購入者等の目に触れるまでには一定の期間を要します。

医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して常に最新の適切な情報提供を行うため、得られる情報を積極的に収集し、専門家としての資質向上に努めることが求められます。 

一般の生活者が接する医薬品の有効性や安全性等に関する情報は、断片的かつ正確でない情報もあるため、医薬品の販売等に従事する専門家には購入者等に対して科学的な根拠に基づいた正確なアドバイスを与え、セルフメディケーションを適切に支援することが期待されています。


イエローレターとブルーレターを入れ替えた問題が出題されやすいです。

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