2018年(H30)【福井 滋賀 京都 和歌山 兵庫】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第3章 主な医薬品とその作用 問1~10
問1 かぜ及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
a かぜの症状は、呼吸器症状と様々な全身症状が組み合わさって現れる。
b かぜの約8割は細菌の感染が原因である。
c かぜの治療は、安静にして休養し、栄養・水分を十分に摂ることが基本である。
d かぜ薬は、細菌やウイルスを体内から除去することを目的としているものが主流である。
1(a、c)
2(a、d)
3(b、c)
4(b、d)
解説
- 正:かぜは単一の疾患ではなく、様々は症状が組み合わさった症候群です。
- 誤:かぜの約8割はウイルスです。
- 正
- 誤:かぜ薬は各症状に対する対症療法です。
正解 1
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問2 かぜ薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a サイコは、解熱作用を期待して配合されている場合がある。
b アスピリンは、水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっている小児には使用を避ける必要があるが、一般用医薬品の場合、これらの疾病にかかっていないと診断された小児であれば使用してもよい。
c クロルフェニラミンマレイン酸塩は、主に抗コリン作用によって鼻汁分泌やくしゃみを抑える。
d ブロムヘキシン塩酸塩は、延髄の咳嗽中枢に作用して咳を抑える作用がある。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 誤
5 誤 誤 誤 誤
解説
- 正
- 誤:アスピリン、サザピリンについては、15歳未満の小児に使用禁止です。
- 誤:クロルフェニラミンは抗ヒスタミン作用によって鼻汁分泌やくしゃみを抑えます。
- 誤:ブロムヘキシンは鎮咳ではなく、去痰成分です。
正解 4
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問3 抗炎症成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a セミアルカリプロティナーゼは、体内で産生される炎症物質を分解する作用がある。
b ブロメラインは、炎症が生じた組織において、フィブリン類似の沈着物質を分解し、炎症浸出物の排出を促すことで、炎症による腫れを和らげる。
c トラネキサム酸は、フィブリノゲンやフィブリンを分解する作用もあり、血液凝固異常のある人では出血傾向を悪化させるおそれがある。
d グリチルリチン酸は、大量に摂取すると偽アルドステロン症を生じるおそれがある。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
問4 かぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
a 桂枝湯は、構成生薬としてカンゾウを含まない。
b 小青竜湯は、体の虚弱な人、胃腸の弱い人には不向きとされている。
c 小柴胡湯は、かぜの初期、鼻かぜに適すとされている。
d 香蘇散は、血の道症に適すとされている。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、d)
4(c、d)
問5 解熱鎮痛薬に用いられる生薬成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 解熱鎮痛薬に用いられる生薬成分は、プロスタグランジンの産生を抑えることで解熱又は鎮痛をもたらすと考えられている。
b ジリュウのエキスを製剤化した製品は、「感冒時の解熱」が効能・効果となっている。
c シャクヤクは、鎮痛鎮痙作用を示し、内臓の痛みにも用いられる。
d ボウイは、発汗を促して解熱を助ける作用を期待して用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
解説
-
- 誤:解熱鎮痛薬に用いられる生薬成分はプロスタグランジンを介さず作用を発揮します。
- 正
- 正:シャクヤクと共にボタンピも同様の作用を示します。
- 誤:ボウイは鎮痛、利尿作用を期待して用いられます。
正解 3
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問6 次の鎮痛目的で用いられる漢方処方製剤とその特徴の組み合わせについて、 誤っているものはどれか。
[漢方処方製剤] [特徴]
1 芍薬甘草湯・・・体力に関わらず、筋肉の痙攣、腹痛、腰痛に適すとされる。
2 呉茱萸湯・・・・体力中程度で痛みがあり、ときにしびれがあるものの関節痛、腰痛に適すとされる。
3 桂枝加朮附湯・・体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの神経痛、筋肉痛に適すとされる。
4 釣藤散・・・・・体力中程度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりがあるものの慢性頭痛、神経症に適すとされる。
解説
漢方処方製剤のキーワードを掲載
- 正:芍薬甘草湯=体力に関わらず、こむらがえり
- 誤:設問は疎経活血湯の説明文です。呉茱萸湯=みぞおちが膨満するものの頭痛、しゃっくり
- 正:桂枝加朮附湯=尿量が少ない、関節痛
- 正:釣藤散=慢性頭痛、高血圧
正解 2
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問7 一般用医薬品である睡眠改善薬とその有効成分に関する記述の正誤につい て、正しい組み合わせはどれか。
a 抗ヒスタミン成分を主薬とする睡眠改善薬は、脳内のヒスタミン濃度を低下させることで眠気を促す。
b 抗ヒスタミン成分を主薬とする睡眠改善薬は、慢性的な睡眠障害がある人を対象として用いられる。
c 抗ヒスタミン成分は、特に小児では、眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などの副作用が起きやすい。
d ブロモバレリル尿素は、少量でも眠気を催しやすい。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正
解説
- 誤:抗ヒスタミンはヒスタミン受容体を遮断する作用(ヒスタミンの刺激を低下させる)であり、濃度を低下させる訳ではありません。
- 誤:睡眠改善薬に限らず、一般用医薬品は基本的に慢性的な疾患は対象としません。
- 正
- 正
正解 5
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問8 鎮暈薬の有効成分に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
a ジフェニドール塩酸塩は、抗ヒスタミン成分ではないため、眠気や口渇などの副作用が現れることはない。
b メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く持続時間が長いため、専ら鎮暈薬に配合されている。
c ジプロフィリンは、脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させることを目的として配合されている場合がある。
d ジフェンヒドラミンサリチル酸塩は、外国において乳児突然死症候群などの致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、小児では使用を避ける必要がある。
1(a、b)
2(a、d)
3(b、c)
4(c、d)
解説
- 誤:ジフェニドールも抗ヒスタミン、抗コリンと同様に眠気、口渇などの副作用が現れます。
- 正
- 正
- 誤:ジフェンヒドラミンではなく、プロメタジンです。
正解 3
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問9 小児鎮静薬とその有効成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 小児鎮静薬は、興奮状態を鎮めるため、血液の循環を抑制する作用があるとされる生薬成分を中心に配合されている。
b 漢方処方製剤は、用法・用量において適用年齢の下限が設けられていない場合にあっても、幼児には使用しないこととなっている。
c 柴胡加竜骨牡蛎湯を小児の夜泣きに用いる場合には、体質の改善に1か月位を要するため、症状の改善がみられないときでも、少なくとも 1か月位は継続して服用すべきである。
d レイヨウカクは、健胃、強壮などの作用を期待して用いられることがある。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 誤
5 誤 誤 誤 誤
解説
- 誤:小児鎮静薬は、血液循環を促す作用があるとされる生薬成分を中心に配合されている。
- 誤:漢方処方製剤において下限が設定されていない場合は、3ヶ月未満の乳児には使用しないこととなっている。
- 誤:柴胡加竜骨牡蛎湯を小児の夜泣きに用いる場合には、一週間位服用し改善が見られない場合、服用中止し、専門家に相談が必要です。
- 誤:レイヨウカクは健胃、強壮ではなく、鎮静を期待して用いられる。
正解 5
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問10 鎮咳去痰薬とその有効成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 鎮咳去痰薬は、反射的に出る咳を鎮めることやその原因となる痰の切れをよくすることを目的とする医薬品の総称であり、喘息症状を和らげることを目的とする医薬品は含まない。
b ジヒドロコデインリン酸塩を含む医薬品は、原則、12歳未満の小児に使用しないよう注意喚起を行う必要がある。
c コデインリン酸塩は麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。
d ジヒドロコデインリン酸塩は、胃腸の運動を低下させる作用も示す。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
出題範囲の解説ページまとめ
問1~4:第3章-1日目:Ⅰ-①かぜ薬
問5~6:第3章-2日目:Ⅰ-②: 解熱鎮痛薬
問8~9:第3章-4日目:Ⅰ-④:鎮暈薬と小児鎮静薬について
問10 :第3章-5日目:Ⅱ-① 鎮咳去痰薬