2017年【鳥取 島根 岡山 広島 山口】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第2章 人体の働きと医薬品 問11~20
問 11 外皮系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 皮膚に物理的な刺激が繰り返されると皮下組織が肥厚して、たこやうおのめができる。
b メラニン色素は、皮下組織の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、 太陽光に含まれる紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。
c 真皮は、線維芽細胞とその細胞で産生された線維性のタンパク質(コラーゲン等)からなる結合組織の層である。
d 皮脂腺は腺細胞が集まってできており、脂分を蓄えて死んだ腺細胞自身が分泌物(皮脂)となって毛穴から排出される。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 誤 誤 誤 正
3 正 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 誤 誤
解説
- 誤 :繰り返し刺激を受けると、表面の角質層が肥厚する。
- 誤 :メラノサイトは表皮の最下層にあります。
- 正
- 正
正解 4
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問 12 骨格系に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 骨膜で産生される造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板が分化する。
b 骨は生きた組織であり、成長が停止した後も一生を通じて破壊(骨吸収)と修復(骨形成) が行われている。
c 骨組織を構成する無機質は、塩化カルシウムやシュウ酸カルシウム等の石灰質からなる。
d 骨の関節面は弾力性に富む柔らかな軟骨層(関節軟骨)に覆われている。
1(a,b)
2(a,c)
3(b,c)
4(b,d)
5(c,d)
解説
- 誤 :造血幹細胞は骨髄で産生される。
- 正
- 誤 :骨を構成する無機質=炭酸カルシウム、リン酸カルシウム
- 正
正解 4
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問 13 中枢神経系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 脳は、記憶、情動、意志決定等の働きを行っており、脳の下部には、自律神経系、ホルモ ン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)がある。
b 脳において、血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%、ブド ウ糖の消費量は全身の約25%である。
c 脳は脊髄と、延髄でつながっている。
d 脊髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢がある。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 誤 正 正
問 14 自律神経系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 汗腺を支配する副交感神経線維の末端では、ノルアドレナリンが伝達物質として放出され る。
b 副交感神経系が活発になると、唾液の分泌が亢進する。
c 交感神経系が活発になると、排尿筋が収縮する。
a b c
1 誤 正 誤
2 正 正 誤
3 誤 正 正
4 正 誤 正
5 誤 誤 誤
問 15 医薬品の有効成分の吸収・代謝に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 錠剤、カプセル剤等の固形剤では、多くの場合、有効成分は胃で溶出せず、腸で溶出する。
b 加齢等により皮膚のみずみずしさが低下すると、塗り薬の有効成分が浸潤・拡散しやすくなる。
c 消化管で吸収された有効成分は、消化管の毛細血管から血液中へ移行し、その血液は全身循環に入る前に門脈を経由して膵臓に入る。
d 多くの有効成分は血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成し、この複合体を形成 している有効成分の分子は薬物代謝酵素の作用によって代謝される。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 誤
解説
- 誤 :多くの場合、胃で溶出し、腸で吸収します。
- 誤 :みずみずしさが低下すると浸潤・拡散にくくなる。
- 誤 :門脈を経由して肝臓に入る。
- 誤 :タンパクを結合することで、代謝されなくなる。
正解 5
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問 16 医薬品の剤形、適切な使用方法に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 口腔内崩壊錠は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされているため、水なしで服用 することができる。
b チュアブル錠は、口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用する剤形であり、水なしでも服用できる。
c 経口液剤は、固形製剤よりも飲みやすく、服用後、消化管からの吸収が比較的遅いという 特徴がある。
d 一般的には、適用する部位の状態に応じて、適用部位を水から遮断したい場合にはクリーム剤を用い、患部が乾燥していたり患部を水で洗い流したい場合等には軟膏剤を用いることが多い。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正
問 17 偽アルドステロン症に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
体内に( a )と水が貯留し、体から( b )が失われることによって生じる病態であり、 ( c )からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらずこのような状態となることから、偽アルドステロン症と呼ばれている。
a b c
1 カリウム ナトリウム 副腎髄質
2 カリウム ナトリウム 副腎皮質
3 ナトリウム カリウム 副腎髄質
4 ナトリウム カリウム 副腎皮質
解説
原則ナトリウムと水分は同じ動きをします。ナトリウムが排出されれば、水分も排出されます。
- ナトリウム
- カリウム
- 副腎皮質
正解 4
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問 18 呼吸器系に現れる医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 間質性肺炎を発症すると、体内は低酸素状態となり、息切れ・息苦しさ等の呼吸困難、空咳(痰の出ない咳)、発熱等の症状を呈する。
b 間質性肺炎は、原因となる医薬品の使用開始後、1~2日程度で起きることが多い。
c 喘息は、原因となる医薬品の使用後、短時間(1時間以内)のうちに鼻水・鼻づまりが現れ、続いて咳、喘鳴(息をするとき喉がゼーゼー又はヒューヒュー鳴る)及び呼吸困難を生じる。
d 喘息は、坐薬や外用薬により誘発されることはない。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 正 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正
問 19 医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 皮膚粘膜眼症候群は、最初に報告をした医師の名前にちなんでライエル症候群とも呼ばれる。
b 皮膚粘膜眼症候群の発症機序の詳細は不明である。
c 中毒性表皮壊死融解症の症例の多くが皮膚粘膜眼症候群の進展型とみられている。
d 中毒性表皮壊死融解症は、原因医薬品の使用開始後1年以上経ってから発症することが多い。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 正 正
解説
- 誤 :皮膚粘膜眼症候群=スティーブンス・ジョンソン症候群
- 正
- 正
- 誤 :通常、使用開始後2週間以内の発症が多いが、1ヶ月以上経ってから起こることもある。
正解 1
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問 20 医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 血液中の血小板が減少し、鼻血、歯ぐきからの出血、手足の青あざ(紫斑)や口腔粘膜の 血腫等の内出血、経血が止まりにくい(月経過多)等の症状が現れることがある。
b 消化性潰瘍では、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなどの症状が現れる。
c 小児や高齢者のほか、普段から下痢傾向のある人は、イレウス様症状(腸閉塞様症状)の 発症のリスクが高い。
d 光線過敏症の症状は、医薬品が触れた部分に限定され、全身に広がって重篤化することは ない。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 誤 誤 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 誤
5 正 誤 誤 正
解説
- 正
- 正
- 誤 :普段から便秘傾向の人はイレウスになりやすい。
- 誤 :光線過敏症は全身に広がる場合がある。接触性皮膚炎は限定的
正解 4
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出題範囲の解説ページまとめ
問11~12:第2章-6日目:Ⅰ-⑥皮膚、骨・関節、筋肉などの運動器官
問13~14:第2章-7日目:Ⅰ-⑦ 脳や神経系の働き
問15~16:第2章-8日目:Ⅱ- 薬の生体内運命
問17~20:第2章-9日目:Ⅲ症状からみた主な 副作用