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2章:人体の働きと医薬品

第2章-6日目:Ⅰ-⑥: 運動器官

皮膚

登録販売者試験の解説とポイントを過去問題にフォーカスして記載していきます。

厚生労働省の試験問題作成の手引きを基に分かり易い内容に変えて解説しています。

実際の過去問題から作成したポイントテストもありますので、
是非解いて見てくださいね。

独学で学ばれている方も含め問題なく解けることが実感できるかと思います。

今回は第2章の運動器官から続きをしていきます。

また第2章全体のポイントについては、第2章-1日目:Ⅰ-①:消化器系をご覧ください。

 

3 皮膚、骨・関節、筋肉などの運動器官 

1)外皮系 

身体を覆う皮膚と、汗腺皮脂腺、乳腺等の皮膚腺、爪や毛等の角質を総称して外皮系といいます。

皮膚の主な機能

  • 身体の維持保護:異物の体内への侵入を防ぐ。
  • 体水分の保持:体外への蒸発防止と、体内へ浸透防止する水分保持機能がある。
  • 熱交換:体温を一定に保つ役割を担っている。血管拡張や汗による放熱や、血管収縮により放熱を抑える機能がある。
  • 外界情報の感知:触覚、圧覚、痛覚、温度感覚等の皮膚感覚としての機能を有している。

皮膚表面の微生物のバランスが崩れたり、皮膚に損傷が生じると病原菌が繁殖・侵入しやすくなります。

生体は病原菌を排除する反応として免疫機能を活性化させ、その結果、皮膚に炎症を生じ、発疹や発赤、痒み等の症状が現れることがあります。 

皮膚は、表皮真皮皮下組織の3層構造からなります。

 

①表皮

表皮は最も外側にある角質層生きた表皮細胞の層に分けられます。

角質層は、皮膚のバリア機能を担っており、細胞膜が丈夫な線維性のケラチンでできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されています。

皮膚の色は、表皮や真皮に沈着したメラニン色素によるものです。メラニン色素は、表皮最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、紫外線から皮膚組織を防護する役割があります。

メラニン色素の防護能力を超える紫外線に曝されると、皮膚組織が損傷を受け炎症を生じて発熱や水疱、痛みなどの症状が起きます。また、メラニン色素の過剰な産生が起こり、シミそばかすとして沈着します。 

 

②真皮

線維芽細胞とその細胞で産生された線維性のタンパク質(コラーゲン、フィブリリン、エラスチンなど)からなる結合組織の層で、皮膚の弾力強さを与えています。

真皮には、毛細血管知覚神経の末端が通っています。

 

③皮下組織

脂肪細胞が多く集まって皮下脂肪層となっています。皮下脂肪層は、熱や寒さ、衝撃から体を保護するほか、脂質としてエネルギー源を蓄える機能があります。

 

④毛

毛根の最も深い部分を毛球といいます。毛球の下端のへこんでいる部分を毛乳頭といい、毛乳頭には毛細血管が入り込み、毛母細胞に栄養分を運んでいます。

毛母細胞では細胞分裂が盛んに行われ、角化して毛を形成します。毛母細胞の間にもメラノサイトが分布し、産生されたメラニン色素が毛母細胞に渡されます。このメラニン色素の量によって毛の色が決まります。 

 

⑤汗腺

腋窩えきか(わきのした)などの毛根部に分布するアポクリン腺(体臭腺)と、全身に分布するエクリン腺の二種類があります。汗はエクリン腺から分泌され、体温調節のための発汗は全身の皮膚に生じますが、精神的緊張による発汗は手のひら足底脇の下、顔面などの限られた皮膚に生じます

 

ポイントテスト1

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)外皮系には、身体を覆う皮膚と、汗腺、皮脂腺、乳腺等の皮膚腺が含まれるが、爪や毛等の角質は含まれない。

(2)炎症が生じた皮膚に現れる発疹や発赤、痒み等の症状と免疫機能の活性化とは関連がない。

(3)メラニン色素は、紫外線の刺激により表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、皮膚組織を破壊する。

(4)真皮には、毛細血管や知覚神経が通っている。

(5)精神的緊張による発汗は、全身の皮膚に生じる。

 

 

回答と解説
ポイントテスト1
(1)×:角質も外皮系。
(2)×:炎症には免疫機能が関連。
(3)×:メラニン色素は紫外線から皮膚を守る。
(4)〇
(5)×:緊張による発汗は手のひら、足底、脇の下、顔面などに限って起こる。

 

2)骨格系 

骨格系は関節からなります。

骨は最も硬い組織の一つで、以下の四組織からなります。

(1) 主部となる骨質
(2) 骨質表面を覆う骨膜
(3) 骨質内部の骨髄
(4) 骨の接合部にある関節軟骨

骨の機能

  • 身体各部の支持機能:頭部や内臓を支える身体の支柱となる。 
  • 臓器保護機能:骨格内に臓器を収め、保護する。 
  • 運動機能:骨格筋の収縮を効果的に体躯の運動に転換する。 
  • 造血機能:骨髄で産生される造血幹細胞が赤血球、白血球、血小板に分化することにより、体内に供給される。 
  • 貯蔵機能:カルシウムやリン等の無機質を蓄える。 

造血機能は全ての骨の骨髄で行われるわけでなく、主に胸骨肋骨脊椎骨盤大腿骨などが造血機能を担います。 

骨は生きた組織であり、一生を通じて破壊(骨吸収)修復(骨形成)を行うことで骨の新陳代謝が行われます。

骨組織を構成する無機質は、炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの石灰質からなります。そこに含まれるカルシウムが骨から溶け出し(骨吸収)、ほぼ同量のカルシウムが骨に沈着(骨形成)します。このバランスを取ることにより、一定の骨密度が保たれています。

無機質により骨に硬さを与え有機質(タンパク質及び多糖体)により骨の強靱さを保ちます。

 

関節とは、広義には骨と骨の連接全般を指しますが、狭義には複数の骨が互いに運動できるように連結したもの(可動関節)を指します。

骨の関節面は弾力性に富む柔らかな軟骨層(関節軟骨)に覆われ、衝撃を和らげます。

関節周囲を包む膜(滑膜)は軟骨の働きを助け、靱帯は骨を連結し、関節部を補強しています。 

 

ポイントテスト2

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)成長が停止した後は、骨の破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われなくなる。

(2)骨の関節面は弾力性に富む柔らかな軟骨層(関節軟骨)に覆われ、これが衝撃を和らげ、関節の動きを滑らかにする。

(3)骨組織を構成する無機質であるカルシウムが、骨から溶け出すことはない。

(4)関節とは、広義には骨と骨の連接全般を指すが、狭義には複数の骨が互いに運動できるように連結したものをいう。

(5)骨には、骨格筋の収縮を効果的に体躯の運動に転換する運動機能がある。

 

 

回答と解説
ポイントテスト2
(1)×:成長が止まっても、骨の破壊と修復が行われる。
(2)○
(3)×:溶け出します。溶け出す=破壊
(4)○
(5)○

 

3)筋組織 

筋組織は、筋細胞(筋線維)とそれらをつなぐ結合組織からなり、その機能や形態によって骨格筋平滑筋心筋に分類されます。 

関節を動かす骨格筋は、関節を構成する骨にけんを介してつながっています。

腱は結合組織のみでできているため、伸縮性はあまりありません

骨格筋:

筋線維に横縞模様(横紋)が見えるので横紋筋おうもんきんとも呼ばれます。収縮力が強く、自分の意識どおりに動かすことができ、体性神経系(運動神経)が支配する随意筋ずいいきんですが、疲労しやすく、長時間の動作は難しいです。

骨格筋の疲労は、運動を続けることでエネルギー源として蓄えられているグリコーゲンが減少し、酸素や栄養分の供給不足とともに、グリコーゲンの代謝に伴って生成する乳酸が蓄積して、筋組織の収縮性が低下する現象です。 

 

平滑筋へいかつきん

平滑筋は横縞模様がなく、消化管壁、血管壁、膀胱などに分布し、比較的弱い力で持続的に収縮する特徴があります。意識的にコントロールできず、自律神経系に支配されている不随意筋です。

 

心筋:

心筋には横紋模様があり、強い収縮力と、持久力があります。心筋は意識的にコントロールできず、自律神経系に支配されている不随意筋です。

 

各種筋肉の違いのまとめ ※スマートホンの方は、画面を横にすると見やすいです。

種類 横紋模様 収縮力 持久力 神経 随意性(コントロール)
骨格筋 あり 強い なし 体性神経 あり
心筋 あり 強い あり 自律神経 なし
平滑筋 なし 弱い あり 自律神経 なし

 

ポイントテスト3

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)骨格筋と平滑筋は、収縮力が強く、自分の意識どおりに動かすことができる随意筋である。

(2)筋組織は神経からの指令によって収縮するが、体性神経系(運動神経)で支配されるものと自律神経系に支配されるものがある。

(3)腱は筋細胞と結合組織からできており、伸縮性に富む。

(4)骨格筋の疲労は、運動を続けることでグリコーゲンが減少し、酸素や栄養分の供給不足が起こるとともに、乳酸が蓄積する現象です。

(5)随意筋(骨格筋)は自律神経系で支配されるのに対して、不随意筋(平滑筋及び心筋)は体性神経系(運動神経)に支配されている。

 

 

回答と解説
ポイントテスト3
(1)×:平滑筋は収縮力が弱く、不随意筋である。
(2)○
(3)×:腱は結合組織のみで、伸縮性がない
(4)○
(5)×:随意筋は体性神経、不随意筋は自律神経系に支配されている。


今回は皮膚・運動器官についての解説でした。出題される問題数は大体1問ではありますが、 毎日こまめにがんばりましょう。お疲れさまでした。

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