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4章:薬事関係法規とその制度

第4章-3日目:Ⅱ-② 医薬部外品 、化粧品、保健機能食品

健康食品

登録販売者試験の解説とポイントを過去問題にフォーカスして記載していきます。

厚生労働省の試験問題作成の手引きを基に分かり易い内容に変えて解説しています。

過去問題から作成したポイントテストもありますので、
是非解いて見てくださいね。

独学で学ばれている方も含め問題なく解けることが実感できるかと思います。

今回は【第4章のⅡ-② 医薬部外品、化粧品、保健機能食品】から続きをしていきます。

また第4章全体のポイントについては、第4章-1日目:Ⅰ医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律をご覧ください。

 

 

3)医薬部外品、化粧品、保健機能食品等 

医薬部外品

医薬部外品の定義

1 下記に掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第2号又は第3号に規定する目的のために使用される物を除く)であって機械器具等でないもの 

イ  吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止 
ロ  あせも、ただれ等の防止 
  脱毛の防止、育毛又は除毛 

2 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第2号又は第3号に規定する目的のために使用される物を除く)であって機械器具等でないもの

3 前項第2号又は第3号に規定する目的のために使用される物(1.2に掲げる物を除く)のうち、厚生労働大臣が指定するもの

※「前項第2号又は第3号に規定する目的」とは、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことを目的とすることを指す

上記の範囲内で成分や用法等に照らして人体に対する作用が緩和であることを要件として、医薬品的な効能効果を表示・標榜することが認められています。

表示について:

医薬部外品の直接の容器又は直接の被包には、「医薬部外品」の文字の表示その他定められた事項の表示が義務付けられています。

その他定められた事項の表示

衛生害虫類(ねずみ、はえ、蚊等)の防除のため使用される製品群 防除用医薬部外品」の文字
医薬品から医薬部外品へ移行された製品群 指定医薬部外品」の文字

 

販売等について:

医薬品のような販売業の許可は必要なく、一般小売店において販売等することができますが、 医薬品と同様に、不良医薬部外品及び不正表示医薬部外品の販売は禁止されています。

 

製造販売について:

製造販売業の許可が必要で、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除き、品目ごとに承認を得る必要があります。

 

 

化粧品

化粧品の定義

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」 

化粧品は、あくまで「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つ」においてのみ効能効果を表示・標榜することが認められるものであり、医薬品的な効能効果を表示・標榜することは一切認められていません

また化粧品の成分本質には、原則として医薬品の成分を配合してはならないこととされており、配合される場合であっても、添加物としての使用など薬理作用が期待できない量以下に制限されます。

化粧品の効能効果の例:
  • フケ、カユミがとれる
  • 毛髪につやを与える
  • 肌荒れを防ぐ

 

販売について:

医薬品のように販売業の許可は必要なく、一般小売店において販売等することができます。

 

製造販売について:

製造販売業の許可が必要で、あらかじめ品目ごとの届出を行う必要があります。ただし厚生労働大臣が指定する成分を含有する化粧品である場合は品目ごとの承認を得る必要があります。

 

ポイントテスト1

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)化粧品の効能効果の一つに、「毛髪につやを与える。」がある。

(2)医薬部外品には、衛生害虫類(ねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物)の防除を目的とするものがある。

(3)医薬部外品を一般の生活者に販売等する場合、医薬部外品販売業の許可が必要である。

(4)化粧品を業として販売する場合には、医薬品医療機器等法に基づく許可は必要なく、一般小売店において販売することができる。

(5)化粧品に医薬品的な効能効果の表示・標榜がなされた場合には、医薬品医療機器等法第66条第1項により禁止される虚偽又は誇大な広告に該当する。 

 

 

回答と解説
ポイントテスト1
(1)○
(2)○
(3)×:販売には許可は不要
(4)○
(5)○

 

 

保健機能食品等の食品

食品とは

食品とは、医薬品医薬部外品及び再生医療等製品以外のすべての飲食物をいいます。

医薬品には、その品質有効性及び安全性の確保を目的として必要な規制が行われていますが、食品には、安全性の確保を目的として必要な規制が行われています。

外形上、食品として販売等されている製品であっても、その成分本質、効能効果の標榜内容等に照らして医薬品とみなされ、承認・許可等を受けていない場合は無承認無許可医薬品として取締りの対象となります。 

「医薬品の範囲に関する基準」

(a) 成分本質が、専ら医薬品として使用される成分本質を含むこと(食品添加物と認められる場合を除く)

(b) 医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていること(チラシなどの広告宣伝物等による場合も含む)

(c) アンプル剤や舌下錠、口腔用スプレー剤等、医薬品的な形状であること 

錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の形状については、食品である旨が明示されている場合に限り医薬品に該当しない。

(d) 服用時期、服用間隔、服用量等の医薬品的な用法用量の記載があること(調理のために使用方法、使用量等を定めている場合を除く) 

 

健康食品について

特別用途食品、保健機能食品に関しては、一定の表記が認められています。

  消費者庁 用途・機能の表示 内容例
特別用途食品 許可等のマーク付き※1 特別な用途 えん下困難者用 、乳児用等
特定保健用食品 許可等のマーク付き※2 特定の保健の用途 血圧が高めの方に適する等
栄養機能食品 個別審査なし ビタミン・ミネラルなどの栄養成分の機能 鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素である等
機能性表示食品 個別審査なし(届出制) 科学的根拠に基づいた機能 脂肪の吸収を抑える等

特別用途食品と特別保健用食品

(a) 特別用途食品 

乳児、幼児、妊産婦又は病者の発育又は健康の保持若しくは回復の用に供することが適当な旨を医学的・栄養学的表現で記載し、かつ、用途を限定したもので、健康増進法に基づく許可又は承認を受け、「特別の用途に適する旨の表示」をする食品であり、消費者庁の許可等のマークが付されています。

特別用途食品の例
(アマゾンサイト)

 

(b) 特定保健用食品 

特定保健用食品は、特別用途食品制度保健機能食品制度の両制度に位置づけられています。

特定の保健の目的で摂取をする者に対し、摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品です。

特定の保健の用途を表示するには、個別に生理的機能や特定の保健機能を示す有効性や安全性等に関する審査を受け、健康増進法に基づく許可又は承認を取得することが必要です。

現行の特定保健用食品の許可の際に必要とされる有効性の科学的根拠のレベルに達しないものの、一定の有効性が確認されるものについては、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として許可されています。この条件で許可された特定保健用食品を「条件付き特定保健用食品」と区分しています。

特定保健用食品の例
(アマゾンサイト)

 

(c) 栄養機能食品

1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分の量が基準に適合しており、栄養表示しようとする場合には食品表示基準の規定に基づき、その栄養成分の機能の表示を行わなければなりません。 

栄養成分の機能表示に関しては消費者庁長官の許可を要しません。

当該栄養成分を摂取する上での注意事項を適正に表示することが求められているほか、消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない旨の表示も義務づけられています。

 

(d) 機能性表示食品 

食品表示法に基づく食品表示基準に規定されている食品です。事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示し、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです

特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)という食品の機能性を表示することはできますが、特定保健用食品とは異なり消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。

 

(e) その他いわゆる健康食品 

健康食品という単語は法令で定義された用語ではなく、一般に用いられている単語です。栄養補助食品、サプリメント、ダイエット食品等と呼ばれることもあります。法や食品衛生法等における取扱いは保健機能食品以外の一般食品と変わりません。 

いわゆる健康食品の中には、特定の保健の用途に適する旨の効果等が表示・標榜されている場合があり、医薬品の効能効果を暗示するものとみなされ、無承認無許可医薬品として、法に基づく取り締まりの対象となります。

 

(f) 保健機能食品 

(b) 特定保健用食品、(c) 栄養機能食品、(d) 機能性表示食品を総称して「保健機能食品」といい、食生活を通じた健康の保持増進を目的として摂取されているものです。

なお、特別用途食品、保健機能食品のいずれも、健康の保持増進効果等につき虚偽又は誇大な表示をすることは禁止されています

 

ポイントテスト2

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)食品とは、医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品以外のすべての飲食物をいう。

(2)特定保健用食品は、個別に審査を受け、消費者庁の許可等のマークが付されている。

(3)栄養機能食品における栄養成分の機能表示に関しては、消費者庁長官の許可を要さない。

(4)特別用途食品、栄養機能食品、機能性表示食品を総称して「保健機能食品」という。

(5)医薬品には、その有効性及び安全性の確保のみを目的として必要な規制が行われているが、食品には、安全性の確保のみを目的として必要な規制が行われている。

 

 

回答と解説
ポイントテスト2

(1)○
(2)○
(3)○
(4)×:特別用途食品ではなく、特定保健用食品
(5)×:医薬品は品質、有効性、安全性の確保を目的に規制がされている。


4章のⅡ-② 医薬部外品、化粧品、保健機能食品についてが終了しました。許可、承認、届出等は、試験問題として入れ替えやすい文言です。意識して読みましょう。

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