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4章:薬事関係法規とその制度

第4章-6日目:Ⅳ 医薬品販売に関する法令遵守

更新日:

医薬品の誇大広告

登録販売者試験の解説とポイントを過去問題にフォーカスして記載していきます。

厚生労働省の試験問題作成の手引きを基に分かり易い内容に変えて解説しています。

過去問題から作成したポイントテストもありますので、
是非解いて見てくださいね。

独学で学ばれている方も含め問題なく解けることが実感できるかと思います。

今回は第4章のⅣ 医薬品販売に関する法令遵守から続きをしていきます。

また第4章全体のポイントについては、第4章-1日目:Ⅰ医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律をご覧ください。
(所要時間 24分)

 

 

1)適正な販売広告

 医薬品については、誇大広告承認前の医薬品等の広告が禁止されています。

誇大広告や承認前の医薬品等については、次のように禁止されています。

  • 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法効能、効果又は性能に関して、明示的暗示的を問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない
  • 医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告、記述し、又は流布してはならない 
  • 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎[だたい]を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない
  • 何人も未承認の医薬品等の名称製造方法効能効果又は性能に関する広告をしてはならない
堕胎とは、非合法的に行われる人工妊娠中絶のこと

これらの違反については広告等の依頼主だけでなく、その広告等に関与するすべての人が対象となります。

また一般用医薬品の販売広告として、マスメディアチラシダイレクトメールPOP広告等も該当します。

医薬品の広告に該当するか否かについては、次のいずれの要件も満たす場合は、広告に該当します。

(1) 顧客を誘引する意図が明確であること

(2) 特定の医薬品の商品名(販売名)が明らかにされていること

(3) 一般人が認知できる状態であること

広告すべてがいけないと言っているわけではありません。未承認や誤解を招く広告を禁止しています。

 

ポイントテスト1

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)広告の内容については、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

(2)顧客を誘引する意図が明確であるだけでは、医薬品の広告に該当しない。

(3)店舗販売業において、医薬品の販売促進のため用いられるチラシやダイレクトメール(電子メールを含む)は、医薬品の販売広告に含まれる。

(4)医薬品医療機器等法に基づく虚偽又は誇大な広告に対する規制は、製薬企業等の広告の依頼主だけでなく、その広告に関与するすべての人が対象となる。

 

 

回答と解説
ポイントテスト1
(1)×:広告に関し、許可を受ける必要はない
(2)〇
(3)〇
(4)〇

 

 

医薬品等適正広告基準 

医薬品等適正広告基準とは、広告の適正化を図ることを目的として示されたものです。

この基準においては、購入者等に対し事実に反する認識過度の消費や乱用を助長するおそれがある広告は不適正なものとされています。 

 

(a) 事実に反する認識を得させるおそれがある広告 

一般の生活者が事実に反する認識を得るおそれがある広告については、承認の範囲を超える内容や、承認された内容に合致しない表現がなされている場合が多いです。

医薬品全般

医薬品の有効性又は安全性について、それが確実であることを保証するような表現の広告は、明示的・暗示的を問わず虚偽又は誇大な広告とみなされます。

そのため、医薬品の使用前・使用後を示した図画・写真等を掲げることは不適当とされています。

 

一般用医薬品

同じ有効成分を含有する医療用医薬品の効能効果をそのまま標榜することも、承認されている内容を正確に反映した広告といえません。

 

漢方処方製剤

体質等を限定した上で特定の症状等に対する改善を目的として、効能効果に一定の前提条件(いわゆる「しばり表現」)が付されていることが多いですが、しばり表現を省いて広告することは原則として認められていません

また生薬成分が相互に作用しているため、構成生薬の作用を個別に挙げて説明することも不適当です。

漢方薬の例
(アマゾンサイト)
効能・効果の欄にしばり表現が記載してあります。

なお、チラシやパンフレット等の同一紙面に、医薬品と医薬品ではない製品を併せて掲載すること自体は問題ありませんが、医薬品でない製品について医薬品的な効能効果があるように見せかけること不適当です。

 

(b) 過度の消費や乱用を助長するおそれのある広告 

価格の表示や特定商品の名称と価格の特記表示をもって直ちに不適当とみなされることはありませんが、

例えば、商品名を連呼する音声広告や、不安を煽て購入を促す広告には必要な監視指導が行われています。 

また、天然成分を使用しているので副作用がない」「いくら飲んでも副作用がない」といった事実に反する広告表現は、消費や乱用を助長するだけでなく、虚偽誇大な広告にも該当します。

さらに医薬関係者、医療機関、公的機関、団体等が、公認、推薦、選用等している旨の広告については、仮に事実であったとしても原則として不適当とされています。 

ポイントテスト2

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)効能効果に一定の前提条件(いわゆる「しばり表現」)が付されている漢方処方製剤の広告を行う場合、そのしばり表現を省いて広告することは原則として認められていない。

(2)一般用医薬品について、同じ有効成分を含有する医療用医薬品の効能効果をそのまま標榜することは、承認されている内容を正確に反映した広告とはいえない。

(3)チラシの同一紙面に、医薬品と医薬品ではない製品を併せて掲載することはできない。

(4)漢方処方製剤の効能効果は、配合されている個々の生薬成分が相互に作用しているため、 それらの構成生薬の作用を個別に挙げて説明することは不適当である。

(5)医薬品の使用前・使用後を示した図画・写真等を掲げることは、不適当とされている。

(6)医師が医薬品の効能、効果を保証した旨の記事は、その内容が事実であれば広告することができる。

 

 

回答と解説
ポイントテスト2
(1)〇
(2)〇
(3)×:同一紙面に掲載することは可能
(4)〇
(5)〇
(6)×:事実であっても、医薬関係者等による公認、推薦、選用などは不適当

 

 

2)適正な販売方法 

医薬品の過度の消費や乱用を助長するおそれがある販売方法も、販売広告と同様に監視指導が行われています。

キャラクターグッズ等の景品類を提供して販売することに関しては、不当景品類及び不当表示防止法の限度内であれば認められているのですが、医薬品を懸賞や景品として授与することは、原則として認められません。

購入者の利便性のため異なる複数の医薬品又は他の物品を組み合わせて販売又は授与する場合には、組み合わせた医薬品について情報提供を十分に行える程度の範囲内であって、かつ、組み合わせることに合理性が認められるものでなければなりません。

また、組み合わせ販売のため使用される容器の外から、法に基づく記載事項が明瞭に見える必要があります。

なお、転売目的の購入者の求めるままに医薬品を販売すると、規定に違反する行為につながるおそれがあります。

 

配置販売業については、医薬品を先用後利によらず現金売りを行うことは配置販売行為に当たらないため認められません。

配置販売は使用した後に代金をもらう販売方法です。

ポイントテスト3

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)配置販売業において、医薬品を先用後利によらず現金売りを行うことは配置による販売行為に当たらないため認められない。

(2)医薬品を懸賞や景品として授与することは、サンプル品(試供品)を提供するような場合を除き、原則として認められない。

(3)医薬品と一緒にキャラクターグッズ等の景品類を提供して販売することはいかなる場合でも認められない。

(4)効能効果が重複するような医薬品を組み合わせて販売又は授与することは、購入者の利便性を高めるため推奨されている。

 

 

回答と解説
ポイントテスト3
(1)〇
(2)〇
(3)×:一定の限度内であれば可
(4)×:効能効果の重複は合理性にかけるため、不適当

 

 

3)行政庁の監視指導、苦情相談窓口 

行政庁の監視指導

(a) 薬事監視員 

厚生労働大臣、都道府県知事(保健所設置市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。以下「都道府県知事等」という)は、職員のうちから薬事監視員を命じ、監視指導を行わせています。

 

(b) 立入検査等 

都道府県知事等は、薬局開設者又は医薬品の販売業者が、法の規定・命令を遵守しているか確認が必要であると認めるときは、その薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して必要な報告をさせることができます。

また薬事監視員に、医薬品を業務上取り扱う場所に立ち入らせ、構造設備、帳簿書類等の検査や、従業員や関係者に質問させることができます。

その際、無承認無許可医薬品、不良医薬品又は不正表示医薬品等の疑いのある物品を、試験のため必要な最少分量に限り収去させることができます。

 

(c) 罰則 

薬局開設者や医薬品の販売業者が報告を怠ったり虚偽の報告をした場合や、薬事監視員による立入検査を妨害した場合は罰則が課せられます。

従業員についても同様で、薬事監視員に対し、正当な理由なく虚偽の答弁を行った際は罰則の対象となります。

 

ポイントテスト4

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1)厚生労働大臣、都道府県知事、保健所を設置する市の市長及び特別区の区長は、その職員のうちから薬事監視員を命じ、薬事監視員が監視指導を行っている。

(2)都道府県知事は、薬事監視員に、当該店舗に立ち入りさせ、帳簿書類を収去させることができる。

(3)当該店舗の薬剤師や登録販売者を含む従業員は、薬事監視員の質問に対して正当な理由なく答弁しなかった場合でも処罰されることはない。

(4)医薬品の販売業者が、命ぜられた報告を怠った場合であっても、薬事監視員による立入検査や収去を拒まない限り、その行為に対する医薬品医療機器等法に基づく罰則を科せられることはない。

 

 

回答と解説
ポイントテスト4
(1)〇
(2)×:収去ではなく、検査
(3)×:従業員も正当な理由のない虚偽は処罰の対象となる
(4)×:報告を怠った場合も罰則の対象

 

 

行政庁による処分

監視指導の結果、厚生労働大臣、都道府県知事等が必要があると認めるときには、以下の処分を命じることができます。

(a) 改善命令等 

都道府県知事等は、薬局開設者又は医薬品の販売業者(配置販売業者を除く。)に対して、構造設備が基準に適合せず、又はその構造設備によって不良医薬品を生じるおそれがある場合においては、その構造設備の改善を命じ、又はその改善がなされるまでの間当該施設の全部若しくは一部の使用を禁止することができます。

その他、薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して、一般用医薬品の販売等を行うための業務体制基準に満たさない場合や薬事に関する法令に違反する行為があった場合において保健衛生上改善の必要性がある場合は、改善を命令することができます。

また薬局の管理者又は店舗管理者若しくは区域管理者についても、薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又はその者が管理者として不適当であると認めるときは、その薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して、その変更を命ずることができます。

 

(b) 業務停止命令等 

配置販売業について

都道府県知事は、配置販売業の配置員が、その業務に関し、薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったときは、その配置販売業者に対して、期間を定めてその配置員による配置販売の業務の停止を命ずることができ、また、必要があるときは、その配置員に対しても期間を定めてその業務の停止を命ずることができます。

 

薬局開設者又は医薬品の販売業者について

都道府県知事等は、薬局開設者又は医薬品の販売業者について、薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったとき、薬局開設者又は医薬品の販売業者が禁錮以上の刑に処せられるなど、その許可の基準として求めている事項に反する状態に該当するに至ったときは、その許可を取り消し、または期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができます。

厚生労働大臣は、医薬品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して、医薬品の販売又は授与を一時停止することその他保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための応急措置を採るべきことを命ずることができます。

 

(c) 廃棄・回収命令等 

厚生労働大臣又は都道府県知事等は、医薬品を業務上取り扱う者に対し、不正表示医薬品不良医薬品無承認無許可医薬品等について、廃棄回収、その他公衆衛生上の危険の発生を防止するに足りる措置を採るべきことを命ずることができます。

厚生労働大臣、都道府県知事等は、本命令を受けた者がその命令に従わないとき、又は緊急の必要があるときは、薬事監視員に、不正表示医薬品等を廃棄回収その他の必要な処分をさせることができます。

また命令がなくても、医薬品等の製造販売業者等が、その医薬品等の使用によって保健衛生上の危害が発生、拡大するおそれがあることを知ったときは、防止するために廃棄、回収、販売の停止、情報の提供その他必要な措置を講じなければなりません。

薬局開設者又は医薬品の販売業者、薬剤師その他の医薬関係者は、製造販売業者等が行う必要な措置の実施に協力するよう努めなければなりません。 

 

ポイントテスト5

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1) 都道府県知事は、店舗管理者に薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又はその者が管理者として不適当であると認めるときは、その店舗販売業者に対して、店舗管理者の変更を命ずることができる。 

(2)都道府県知事は、店舗の構造設備によって不良医薬品を生じるおそれがある場合には、店舗販売業者に対して、その構造設備の改善を命ずることができる。 

(3)都道府県知事は、配置販売業の配置員が、その業務に関し、薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反する行為があったときは、その配置販売業者に対して、期間を定めてその配置員による配置販売の業務の停止を命ずることができるが、その配置員に対しては、期間を定めて業務の停止を命ずることはできない。

(4)厚生労働大臣は、医薬品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、医薬品医療機器等法第69条の3の規定に基づき、都道府県知事等に対して、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための応急措置を採るべきことを命ずることができる。 

 

 

回答と解説
ポイントテスト5
(1)〇
(2)〇
(3)×:配置員に対しても、命ずることができる。
(4)×:都道府県知事等ではなく、薬局開設者又は医薬品の販売業者

 

 

【苦情相談窓口】

行政庁の薬務主管課、保健所、薬事監視事務所等

薬局や医薬品の販売業の販売広告販売方法等に関して、生活者からの苦情や相談が寄せられ、苦情等の内容から必要に応じ立入検査等を行い事実確認を行っています。

問題とされた薬局開設者又は医薬品の販売業者等に対して、必要な指導、処分等を行っています。

 

(独)国民生活センター、消費生活センター、消費者団体等の民間団体

生活者へのアドバイスのほか、行政庁への通報や問題提起を行っています。 

 

医薬品の販売関係の業界団体・職能団体

一般用医薬品の販売等に関する苦情を含めた相談を購入者等から受けつける窓口を設置し、業界内における自主的なチェック自浄的是正を図っています。

 

ポイントテスト6

下記問題を正誤で答えよ(回答は下)

(1) 消費生活センターでは、医薬品に関する相談は受けつけていない。

(2)生活者からの苦情等は、消費者団体等の民間団体にも寄せられることがあるが、これらの団体では生活者へのアドバイスは行ってはいけないとされている。

(3)医薬品の販売関係の業界団体・職能団体においては、一般用医薬品の販売等に関する苦情を含めた様々な相談を購入者等から受けつける窓口を設置し、自主的なチェックを図っている。

(4)薬事監視員を任命している行政庁の薬務主管課、保健所、薬事監視事務所等では、生活者からの苦情等の内容から、薬事に関する法令への違反、不遵守につながる情報が見出された場合は、立入検査等によって事実関係を確認のうえ、問題とされた薬局開設者又は医薬品の販売業者等に対して、必要な指導、処分等を行っている。

 

 

回答と解説
ポイントテスト6
(1)×:受けつけている
(2)×:アドバイスも行ってる
(3)〇
(4)〇


今回はⅣ 医薬品販売に関する法令遵守に関してでした。いよいよ4章もこれで終了です。残るは5章ですね。後少しです。がんばりましょう。お疲れさまでした。

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