2018年【埼玉 千葉 東京 神奈川】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第3章 主な医薬品とその作用 問21~30
問21 痔及び痔疾用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 痔瘻は、肛門に存在する細かい血管群が部分的に拡張し、肛門内にいぼ状の腫れが生じたもので、一般に「いぼ痔」と呼ばれる。
b 裂肛は、肛門の出口からやや内側の上皮に傷が生じた状態であり、一般に「切れ痔」 (又は「裂け痔」)と呼ばれる。
c 乙字湯、芎帰膠艾湯のいずれも、構成生薬としてカンゾウを含む。
a b c
1 正 誤 正
2 正 正 誤
3 誤 正 正
4 正 誤 誤
5 誤 正 誤
解説
- 誤:痔瘻ではなく、痔核の説明文です。痔瘻は肛門腺窩と呼ばれる小さなくぼみに糞便が溜まって炎症・化膿を生じた状態
- 正
- 正:乙字湯に関しては、ダイオウも含有します。
正解 3
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問22 泌尿器用薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a カゴソウは、煎薬として残尿感、排尿に際して不快感のあるものに用いられる。
b 竜胆瀉肝湯は、体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがあるものの排尿痛、残尿感、 尿の濁り、こしけ(おりもの)、頻尿に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
c 猪苓湯は、体力に関わらず、排尿異常があり、ときに口が渇くものの排尿困難、排尿 痛、残尿感、頻尿、むくみに適すとされる。
a b c
1 正 正 正
2 誤 誤 正
3 誤 正 正
4 正 誤 誤
5 誤 正 誤
問23 婦人薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a コウブシは、鎮静、鎮痛のほか、女性の滞っている月経を促す作用を期待して配合されている場合がある。
b 温経湯は、体力中等度以下で、手足がほてり、唇が乾くものの月経不順、月経困難、こしけ(おりもの)、更年期障害、不眠、神経症、湿疹・皮膚炎、足腰の冷え、しもやけ、手あれに適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。
c 五積散は、体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症に適すとされ、構成生薬としてダイオウを含む。
d 桃核承気湯は、体力中等度又はやや虚弱で冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされ、構成生薬としてマオウを含む。
1(a、b)
2(a、c)
3(a、d)
4(b、d)
5(c、d)
解説
- 正:同様に効果にサフランもあるため一緒に覚えましょう。
- 正:温経湯=唇が乾くものの月経不順
- 誤:五積散ではなく、桃核承気湯の説明文です。五積散=マオウを含有し、更年期障害・感冒に適す。
- 誤:桃核承気湯ではなく、五積散の説明文です。桃核承気湯=ダイオウを含有し、便秘しがちな月経不順、月経時や産後の精神不安
正解 1
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問24 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a アゼラスチンは、肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げることにより、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す。
b ベラドンナは、ナス科の草本で、その葉や根に、交感神経系の働きを抑える作用を示すアルカロイドを含む。
c サイシンは、ウマノスズクサ科のウスバサイシン又はケイリンサイシンの根及び根茎を基原とする生薬で、鼻閉への効果を期待して用いられる。
d ヨウ化イソプロパミドは、皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として配合されている。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 正 正 誤 誤
5 正 誤 正 誤
解説
- 正
- 誤:ベラドンナは、副交感神経の働きを抑える作用を示すアルカロイドを含みます。
- 正
- 誤:ヨウ化イソプロパミドは抗コリン成分で、鼻汁分泌やくしゃみを抑えます。
正解 5
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問25 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)として用いられる漢方処方製剤のうち、構成生薬としてマオウを含むものはどれか。
1 茵蔯蒿湯
2 十味敗毒湯
3 消風散
4 当帰飲子
5 葛根湯加川芎辛夷
解説
内服アレルギーの項に記載されている下記漢方処方製剤の中でマオウを含有するものは、葛根湯加川芎辛夷、小青竜湯のみです。
皮膚の症状を主とするもの
茵蔯蒿湯、十味敗毒湯、消風散、当帰飲子
鼻の症状を主とするもの
葛根湯加川芎辛夷、小青竜湯、荊芥連翹湯、辛夷清肺湯
正解 5
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問26 鼻炎用点鼻薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a クロモグリク酸ナトリウムは、鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止することを目的として配合されている。
b テトラヒドロゾリン塩酸塩は、局所麻酔成分であり、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されている。
c リドカインは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑えることを目的として配合されている。
d ナファゾリン塩酸塩は、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 誤 誤 正
3 正 誤 正 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
解説
- 誤:クロモグリク酸ナトリウム=ヒスタミンの遊離を抑え、鼻アレルギー症状を緩和します。
- 誤:テトラヒドロゾリン=交感神経を刺激して鼻粘膜を収縮させます。
- 誤:リドカイン=局所麻酔成分
- 正
正解 2
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問27 眼科用薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a イプシロン‐アミノカプロン酸は、新陳代謝を促し、目の疲れを改善する目的で用いられる。
b スルファメトキサゾールは、眼粘膜のタンパク質と結合して皮膜を形成し、外部の刺激から保護する目的で用いられる。
c ホウ酸は、洗眼薬として用時水に溶解し、結膜嚢の洗浄・消毒に用いられる。
d コンドロイチン硫酸ナトリウムは、結膜や角膜の乾燥を防ぐことを目的として用いられる。
1(a、b)
2(a、c)
3(a、d)
4(b、c)
5(c、d)
問28 外皮用薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ヒドロコルチゾンは、末梢組織(患部局所)における炎症を抑える作用を示すが、副作用として、細菌、真菌、ウイルス等による皮膚感染や持続的な刺激感が現れることがある。
b イブプロフェンピコノールは、吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑えるほか、吹き出物(面皰)の拡張を抑える作用があるとされる。
c デキサメタゾンは、分子内に副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と共通する化学構造を持たずに抗炎症作用を示す非ステロイド性抗炎症成分である。
d カプサイシンは、創傷面に浸透して、その部位を通っている血管を収縮させることによる止血効果を期待して用いられる。
1(a、b)
2(a、c)
3(a、d)
4(b、c)
5(c、d)
解説
- 正
- 正:イブプロフェンピコノールはイブプロフェンの誘導体で、外用での鎮痛作用がほとんどありません。
- 誤:デキサメタゾンはステロイド性抗炎症成分です。
- 誤:カプサイシンではなく、ナファゾリンの説明文です。カプサイシンは温感刺激成分です。
正解 1
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問29 外皮用薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a ウフェナマートは、湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも等による皮膚症状の緩和を目的として用いられる。
b フェルビナクは、抗炎症作用に加え、殺菌作用もあるため皮膚感染症の改善を目的としても用いられる。
c 喘息を起こしたことがある人では、インドメタシンが配合された外皮用薬の使用を避ける必要がある。
a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 正
3 誤 正 正
4 誤 正 誤
5 誤 誤 正
問30 角質軟化薬及び化膿性皮膚疾患用薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 硫酸フラジオマイシン(フラジオマイシン硫酸塩)は、細菌のタンパク質合成を阻害することによる抗菌作用を目的として用いられる。
b スルファジアジンは、細菌のDNA合成を阻害することによる抗菌作用を目的として用いられる。
c グリセリンは、皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることによる角質軟化作用を目的として用いられる。
d 尿素は、角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善することを目的として用いられる。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正
解説
- 正
- 正
- 誤:グリセリンではなく、イオウの説明文です。グリセリンは保湿成分です。
- 正:
正解 2
出題範囲の解説ページ
出題範囲の解説ページまとめ
問21~22:第3章-12日目:Ⅴ- 痔 の薬、泌尿器用薬
問23 :第3章-13日目:Ⅵ 婦人薬
問24~25:第3章-14日目:Ⅶ 内服アレルギー用薬
問26 :第3章-15日目:Ⅷ 点鼻薬
問27 :第3章-16日目:Ⅸ 眼科用薬
問28~29:第3章-18日目:Ⅹ-② 皮膚の痛み 、痒み、保湿