2018年(H30)【福井 滋賀 京都 和歌山 兵庫】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第3章 主な医薬品とその作用 問31~40
問31 歯槽膿漏薬に関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。
a 歯周組織の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウムが配合されている場合がある。
b 炎症による腫れや出血を抑える効果を期待して、ビタミンEが配合されている場合がある。
c 抗菌などの作用を期待して、生薬成分であるカミツレが配合されている場合がある。
d ステロイド性抗炎症成分の含有量が少ない場合には、長期連用を避ける必要はない。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、d)
4(c、d)
解説
- 正
- 誤:ビタミンEは血行促進効果があります。
- 正:カミツレは抗炎症、抗菌、発汗作用などの作用を期待して用いられます。
- 誤:口腔内に使用するステロイド性抗炎症成分は含有量に寄らず、長期連用を避ける必要があります。
正解 2
出題範囲のページ
問32 禁煙補助剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 咀嚼剤である禁煙補助剤は、噛むことで放出されたニコチンが胃粘膜から吸収されて循環血液中に移行することを目的としている。
b 禁煙補助剤は、重い心臓病等の基礎疾患がある人では、循環器系に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるため、使用を避ける必要がある。
c 禁煙補助剤は、長期間にわたって使用されるべきものではないため、短期間で急速にその使用量を減らしたほうが、結果的に禁煙達成につながるとされる。
d 禁煙補助剤は、炭酸飲料を摂取した後しばらくは使用を避けることとされている。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正
解説
- 誤:咀嚼剤である禁煙補助剤は、口腔粘膜から吸収されて循環血液中に移行します。
- 正
- 誤:適正な用法・用量を守ることが大切です。
- 正:口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下するためです。
正解 4
出題範囲のページ
問33 ビタミンに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ビタミンB2は、赤血球の形成を助け、また、神経機能を正常に保つために重要な栄養素である。
b ビタミンEは、下垂体や副腎系に作用してホルモン分泌の調節に関与するとされており、生理が早く来たり、経血量が多くなったりすることがある。
c ビタミンDの欠乏症としては、高カルシウム血症、異常石灰化が知られている。
d ビタミンAは、夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 誤 正 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 正 誤 正
解説
- 誤:設問はビタミンB12の説明文です。ビタミンB2は脂質の代謝に関与する栄養素です。
- 正
- 誤:欠乏症ではなく、過剰症により、高カルシウム血症、異常石灰化が起こり得ます。
- 正
正解 5
出題範囲のページ
問34 滋養強壮保健薬に用いられる成分とその作用に関する記述の正誤について、 正しい組み合わせはどれか。
a アミノエチルスルホン酸(タウリン)は、骨格筋の疲労の原因となる乳酸の分解を促す等の働きを期待して用いられる。
b グルクロノラクトンは、米油及び米胚芽油から見出された抗酸化作用を示す成分で、ビタミンE等と組み合わせて配合されている場合がある。
c システインは、肝臓においてアルコールを分解する酵素の働きを助け、アセトアルデヒドと直接反応して代謝を促す働きがあるとされる。
d ヘスペリジンは、ビタミン様物質のひとつで、ビタミンCの吸収を助ける作用があるとされる。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
解説
- 誤:設問はアスパラギン酸ナトリウムの説明文です。タウリンは肝臓機能を改善します。
- 誤:設問はガンマ-オリザノールの説明文です。グルクロノラクトンは肝臓を助け、肝血流を促進する働きがあります。
- 正:システインにはその他、メラニンの生成を抑え、排泄を促進する作用もあります。
- 正
正解 3
出題範囲のページ
問35 漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 一般の生活者においては、「漢方薬はすべからく作用が穏やかで、副作用が少ない」などという誤った認識がなされていることがある。
b 漢方薬を使用する場合は、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが重要である。
c 現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤は、中薬と呼ばれ、漢方薬のうちに含まれる。
d 基礎疾患やアレルギー歴が不明確な患者においては、漢方処方製剤が積極的に使用されるべきである。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正
解説
- 正
- 正
- 誤:漢方薬は日本の伝統医学であり、中医学や韓医学とは別物です。
- 誤:小柴胡湯の様に基礎疾患などがある場合、副作用が出る薬剤もあるため一概には言えません。
正解 3
出題範囲のページ
問36 漢方処方製剤に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
( a )は、体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節痛、むくみ、多汗症、肥満(筋肉にしまりのない、いわ ゆる水ぶとり)に適すとされる。構成生薬としてカンゾウを含む。
( b )は、体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、血の道症、めま い、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚の痒み、口内炎に適すとされるが、 体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)では不向きとされる。
( c )は、体力中等度以上で、赤ら顔でときにのぼせがあるもののにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤鼻(酒さ)に適すとされるが、胃腸の弱い 人では食欲不振、胃部不快感の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
a b c
1 防已黄耆湯 黄連解毒湯 清上防風湯
2 防已黄耆湯 清上防風湯 黄連解毒湯
3 清上防風湯 防已黄耆湯 黄連解毒湯
4 黄連解毒湯 防已黄耆湯 清上防風湯
5 清上防風湯 黄連解毒湯 防已黄耆湯
解説
漢方処方製剤のキーワードを解説
- 防已黄耆湯:汗のかきやすい、肥満(水ぶとり)
- 黄連解毒湯:いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、二日酔い
- 清上防風湯:赤鼻(酒さ)
正解 1
出題範囲のページ
問37 殺菌消毒成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a クレゾール石鹸液は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、大部分のウイルスに対する殺菌消毒作用はない。
b エタノールは、粘膜刺激性があり、粘膜面や目の回り、傷がある部分への使用は避けることとされている。
c 次亜塩素酸ナトリウムは、皮膚刺激性が弱いため、手指の消毒に適している。
d トリクロルイソシアヌル酸は、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正
問38 衛生害虫の防除に関する記述について、誤っているものはどれか。
1 殺虫成分のペルメトリンは、人体におけるシラミの防除を目的として、シャンプーやてんか粉に配合されている場合がある。
2 トコジラミは、体長が比較的大きい(成虫で約8mm)ので、電気掃除機で吸引することによる駆除も可能である。
3 ゴキブリの卵は、医薬品の成分が浸透しない殻で覆われているため、燻蒸処理をしても殺虫効果を示さない。
4 ヒョウヒダニ類は、ヒトを刺すことはないが、ダニの糞や死骸がアレルゲンとなって気管支喘息やアトピー性皮膚炎を引き起こすことがある。
問39 一般用検査薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 一般用検査薬は、薬局においてのみ取り扱うことが認められている。
b 検査薬は、対象とする生体物質を特異的に検出するため、結果が陰性の場合は検体中に対象物質が存在していないことを意味する。
c 擬(偽)陽性とは、対象物質が検体中に存在していないにもかかわらず、 検査対象外の物質と非特異的な反応が起こって検査結果が陽性となった場合をいう。
d 悪性腫瘍の診断に関係するものは一般用検査薬の対象外であるが、染色体異常など、一部の遺伝性疾患については、一般用検査薬の対象となっている。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 正 誤
解説
- 誤:薬局又は医薬品の販売業において、取り扱うことが出来ます。
- 誤:偽陰性の可能性もあります。
- 正
- 誤:重大な疾患に関係するものは、一般用検査薬の対象ではありません。
正解 5
出題範囲のページ
問40 妊娠検査薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の検出反応は、温度の影響を受けることはない。
b ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)は、妊娠中の絨毛細胞から特異的に分泌されるホルモンであるため、それ以外の組織から分泌されることはない。
c 検体(尿)中の成分は、細菌の繁殖等によって分解が進み、検査結果に影響を与えるおそれがある。
d 妊娠検査薬は、妊娠の確定診断を目的としたものである。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
解説
- 誤:hCG検査は温度に影響を受けます。
- 誤:腫瘍化している場合など、他の組織から分泌される場合があります。
- 正
- 誤:妊娠の確定診断には、専門医により総合的に見極める必要がある。
正解 5
出題範囲のページ
出題範囲の解説ページまとめ
問32 :第3章-21日目:Ⅻ 禁煙補助剤
問33~34:第3章-22日目:ⅩⅢ 滋養強壮
問35~36:第3章-23日目:ⅩⅣ 漢方 と生薬
問37 :第3章-24日目:ⅩⅤ-① 消毒薬
問39~40:第3章-26日目:ⅩⅥ 一般用 検査薬