2019年【富山 石川 岐阜 静岡 愛知 三重】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
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第2章 人体の働きと医薬品 問71~80
問71 粘膜からの有効成分の吸収に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 禁煙補助薬のニコチン(咀嚼剤)は、有効成分を口腔粘膜から吸収させ、局所作用を発揮させることを目的としている。
- 一般用医薬品の点鼻薬は、有効成分を鼻の粘膜から循環血液中に移行させ、全身作用を発揮させることを目的としている。
- 坐剤の有効成分は、直腸内壁の粘膜から吸収されるため、内服の場合よりも全身作用が緩やかに現れる。
- 点眼薬は、鼻涙管を通って鼻粘膜から吸収されることがあるため、眼以外の部位にその成分が到達して副作用を起こすことがある。
解説
- 誤:禁煙補助薬のニコチン(咀嚼剤)は有効成分が口腔粘膜から吸収されて全身作用を現す。
- 誤:一般用医薬品の点鼻薬は局所作用を目的としている。
- 誤:坐剤の有効成分は、直腸内壁の粘膜から吸収されるため、内服の場合よりも全身作用が速やかに現れる。
- 正
正解 4
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問72 薬の吸収、分布、代謝及び排泄に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- 経口投与後、消化管で吸収された有効成分は、消化管の毛細血管から血液中へ移行する。
- 有効成分が代謝されると、作用を失ったり(不活性化)、作用が現れたり(代謝的活性化)、 あるいは体外へ排泄されやすい脂溶性の物質に変化したりする。
- 有効成分と血漿タンパク質により形成された複合体は腎臓で速やかに濾過され尿中に排泄される。
- 循環血液中に移行した有効成分は、主として肝細胞の薬物代謝酵素によって代謝を受ける。
1(a、c) 2(b、c)
3(b、d) 4(a、d)
解説
- 正
- 誤:有効成分が代謝されると、水溶性の物質に変化したりする。
- 誤:有効成分と血漿タンパク質により形成された複合体は腎臓で濾過されないため、作用が持続する原因となる。
- 正
正解 4
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問73 医薬品の体内での働きに関する記述のうち、誤っているものはどれか。
- 医薬品が摂取された後、成分が吸収されるにつれてその血中濃度は上昇し、ある最小有効濃度(閾値)を超えたときに生体の反応としての薬効が現れる。
- 一度に大量の医薬品を摂取したり、十分な間隔をあけずに追加摂取したりして血中濃度を高くすればするほど、より強い薬効が得られる。
- 薬効や副作用は、有効成分が、その標的となる細胞に存在する受容体、酵素、トランスポー ターなどのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで現れる場合がある。
- 全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、その有効成分の血中濃度が治療域に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められている。
問74 医薬品の剤形に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- 散剤を服用するときは、飛散を防ぐため、あらかじめ少量の水(又はぬるま湯)を口に含んだ上で服用したり、何回かに分けて少しずつ服用するなどの工夫をするとよい。
- クリーム剤には、有効成分が適用部位に留まりやすいという特徴がある。
- 高齢者において腸溶錠が飲みにくい場合には、口中で噛み砕いて服用してもよい。
- カプセル剤は、カプセル内に散剤や顆粒剤等を充填した内服用の医薬品として広く用いら れているが、液剤を充填したものはない。
1(a、b) 2(b、c)
3(c、d) 4(a、d)
解説
- 正
- 正
- 誤:特に腸内で溶解する腸溶錠の場合には、嚙み砕いて服用してはいけない。
- 誤:カプセル剤は、カプセル内に散剤や顆粒剤、液剤等を充填した剤形である。
正解 1
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問75 全身的に現れる医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- ショック(アナフィラキシー)は、生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種であるが、発症後の病態の進行は比較的緩やかである。
- 皮膚粘膜眼症候群は、38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態で、発症する可能性のある医薬品は限られるため、発症を予測することが可能である。
- 中毒性表皮壊死融解症は、38℃以上の高熱を伴って広範囲の皮膚に発赤が生じ、全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらん等が認められ、かつ、口唇の発赤・びらん、 眼の充血等の症状を伴う病態で、ライエル症候群とも呼ばれる。
- 皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症は、皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器等に障害が残ることがある重篤な疾患である。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
解説
- 誤:ショックは発症後の進行が非常に速やかな(通常、2時間以内に急変)ことが特徴であり、致命的な転帰をたどることがある。
- 誤:皮膚粘膜眼症候群は、発症機序の詳細は不明であり、発症の予測は困難である。
- 正
- 正
正解 1
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問76 精神神経系に現れる医薬品の副作用に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
- 無菌性髄膜炎は、医薬品の副作用が原因で生じることがあるが、全身性エリテマトーデス、 混合性結合組織病、関節リウマチ等の基礎疾患がある人では、発症のリスクが高い。
- 無菌性髄膜炎の発症は急性で、首筋のつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱、吐きけ・嘔吐、 意識混濁等の症状が現れる。
- 無菌性髄膜炎の予後は比較的良好であり、重篤な後遺症が残ることはない。
- 心臓や血管に作用する医薬品により、頭痛やめまい、浮動感(体がふわふわと宙に浮いた ような感じ)、不安定感(体がぐらぐらする感じ)等が生じることがある。
解説
- 正
- 正
- 誤:無菌性髄膜炎の予後は比較的良好であることがほとんどであるが稀に重篤な中枢神経系の後遺症が残った例も報告されている。
- 正
正解 3
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問77 全身的に現れる医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 医薬品により生じる肝機能障害は、有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものと、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに大別される。
- 医薬品により生じる肝機能障害は、軽度の場合、自覚症状がなく、健康診断等の血液検査(肝機能検査値の悪化)で初めて判明することが多い。
- 偽アルドステロン症は小柄な人や高齢者で生じやすいが、医薬品の長期服用後に発症することはない。
- ステロイド性抗炎症薬や抗癌薬等で易感染性がもたらされ、突然の高熱、悪寒、喉の痛み、 口内炎、倦怠感等の症状を呈することがある。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正
問78 消化器系に現れる医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 消化性潰瘍は、自覚症状が乏しい場合もあり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査時や突然の吐血・下血によって発見されることもある。
- イレウスとは、腸内容物の通過が阻害された状態をいう。
- イレウスでは水分や食物の摂取が抑制され、嘔吐がない場合でも脱水状態となることがある。
- 浣腸剤や坐剤の使用によって現れる一過性の症状に、肛門部の熱感等の刺激、異物の注入による不快感、排便直後の立ちくらみなどがある。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問79 循環器系及び泌尿器系に現れる医薬品の副作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- 鬱血性心不全とは、全身が必要とする量の血液を心臓から送り出すことができなくなり、肺に血液が貯留して、種々の症状を示す疾患である。
- 代謝機能の低下によって不整脈の発症リスクが高まることがあるので、特に、高齢者においては、腎機能や肝機能の低下、併用薬との相互作用等に留意するべきである。
- 医薬品による排尿困難や尿閉の症状は、男性のみで報告されている。
- 医薬品による排尿困難や尿閉の症状は、多くの場合、原因となる医薬品の使用を中止するだけでは回復しにくい。
1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)
解説
- 正
- 正
- 誤:医薬品による排尿困難や尿閉の症状は女性においても報告されている。
- 誤:多くの場合、原因となる医薬品の使用を中止することにより症状は速やかに改善する。
正解 1
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問80 皮膚に現れる医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 薬疹とは、医薬品によって引き起こされるアレルギー反応の一種で、発疹・発赤等の皮膚症状を呈する場合をいう。
- 医薬品による接触皮膚炎では、原因となる医薬品の使用の中止後、通常は1週間程度で症状は治まるが、再びその医薬品に触れると再発する。
- 薬疹が現れた場合に、痒み等の症状に対して、一般の生活者が自己判断で対症療法を行うことは、原因の特定を困難にするおそれがあるため、避けるべきである。
- 光線過敏症の症状は、医薬品が触れた部分から全身へ広がることはない。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
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2019年 富山 石川 岐阜 静岡 愛知 三重の登録販売者試験 過去問題
内容 | 問題(解説付き) | 模擬試験用(解説なし) | |||
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 1~10 | 11~20 | |||
第2章 人体の働きと医薬品 | 61~70 | 71~80 | |||
第3章 主な医薬品とその作用 | 21~30 | 31~40 | 41~50 | 51~60 | |
第4章 薬事関係法規・制度 | 81~90 | 91~100 | |||
第5章 医薬品の適正使用・安全対策 | 101~110 | 111~120 |