登録販売者試験の解説とポイントを過去問題にフォーカスして記載していきます。
厚生労働省の試験問題作成の手引きを基に分かり易い内容に変えて解説しています。
実際の過去問題から作成したポイントテストもありますので、
是非解いて見てくださいね。
独学で学ばれている方も含め問題なく解けることが実感できるかと思います。
第2章全体のポイントについては、第2章-1日目:Ⅰ-①:消化器系をご覧ください。
4)泌尿器
血液中の老廃物のほとんどを、尿として体外へ排泄するための器官系です。(その他わずかに汗から排出)
左右の腎臓から尿管、膀胱、そして尿道に至る尿の通り道を尿路という。
a) 腎臓
4つの役割
- 血液のろ過
- 水分・電解質の調節を行い血圧の維持
- 赤血球の生産を促進するホルモン分泌(内分泌腺としての機能)
- 骨の形成・維持に重要なビタミンDの活性化
腎臓は、横隔膜の下、背骨の左右両側に位置する一対の空豆状の臓器で、内側中央部のくびれた部分に尿管、動脈、静脈、リンパ管等がつながっています。
腎臓には、心臓から拍出される血液の1/5~1/4が流れています。
腎臓に入る動脈は細かく枝分かれして、毛細血管が小さな球状になった糸球体を形成します。糸球体の外側を袋状のボウマン嚢が包み込んでおり、これを腎小体といいます。
ボウマン嚢から1本の尿細管が伸びて、腎小体と尿細管とで腎臓の基本的な機能単位(ネフロン)を構成しています。
腎小体:
- 血液中の老廃物をろ過し、原尿を作る
- 血球、タンパク質以外の血漿成分もろ過される
尿細管:
- 原尿から必要な栄養分や水分、電解質を再吸収する
この結果、老廃物が濃縮され最終的に尿となります。
b)副腎
左右の腎臓の上部にそれぞれ附属し、皮質と髄質の2層構造からなります。
- 副腎皮質
アルドステロンといった副腎皮質ホルモンを産生・分泌
アルドステロン:体内に塩分(ナトリウム)と水を貯留し、カリウムの排泄を促す作用があり、電解質と水分の排出を調節
- 副腎髄質
自律神経系に作用するアドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が産生・分泌
C) 尿路(膀胱、尿道)
尿のほとんどは水分で、尿素、尿酸等の老廃物、その他微量の電解質、ホルモン等を含みます。
尿は血液がろ過されて作られるため、糞便とは異なり、健康な状態であれば細菌等の微生物は存在しません。
膀胱 :
尿を一時的に溜める袋状の器官で、尿が膀胱に溜まってくると刺激が脳に伝わって尿意が生じます。膀胱の出口にある膀胱括約筋が緩むと、同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出されます。
尿道:
膀胱に溜まった尿が体外に排泄されるときに通る管です。
-
女性 :尿道が短いため、細菌感染を生じやすい
-
高齢者:膀胱や尿道の括約筋の機能が低下し、また、膀胱の容量の減少による、尿失禁を起こしやすくなる
-
男性 :尿道を取り囲むように前立腺があり、加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫して排尿困難などを生じることがある
ポイントテスト1
下記問題を正誤で答えよ(回答は下)
(1)腎小体では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。
(2) 腎臓には内分泌腺としての機能があり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。
(3)副腎皮質ホルモンの一つであるアルドステロンは、体内にカリウムと水を貯留し、塩分の排泄を促す作用があり、電解質と水分の排出調節の役割を担っている。
(4)副腎は、左右の腎臓の上部にそれぞれ附属し、皮質と間質の2層構造からなる。
(5)膀胱の出口にある膀胱括約筋が緩むと、同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される。
回答と解説
ポイントテスト1
(1)×:腎小体ではなく、尿細管。
(2)○
(3)×:カリウムを排泄し、塩分を貯留。
(4)×:間質ではなく、髄質。
(5)○