2017年【徳島 香川 愛媛 高知】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第3章 主な医薬品とその作用 問21~30
問21 婦人薬に関して、次の漢方処方製剤のうち、胃腸の弱い人でも不向きとされていないものを1つ選びなさい。
1 温経湯
2 加味逍遙散
3 四物湯
4 当帰芍薬散
5 柴胡桂枝乾姜湯
解説
かなり難しく優先度の低い問題です。
婦人薬の漢方処方の中で、胃腸の弱い人が不適だと記載がないものは2つです。
- 桂枝茯苓丸
- 柴胡桂枝乾姜湯
正解 5
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問22 かぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 小柴胡湯は、体力虚弱で、汗が出るもののかぜの初期に適すとされる。
2 葛根湯は、体力中等度以上のものの感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みに適すとされる。
3 麻黄湯は、体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまりに適すとされる。
4 香蘇散は、体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず胃腸の弱いもののかぜの初期、血の道症に適すとされる。
問23 血中コレステロールと高コレステロール改善成分に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a 低密度リポタンパク質(LDL)は、コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポタンパク質である。
b 血液中のLDLが多く、高密度リポタンパク質(HDL)が少ないと、生活習慣病につながる危険性が高くなる。
c 血液検査値として、LDLが150mg/dL以上、HDLが50mg/dL未満、中性脂肪が160mg/dL以上のいずれかである状態を、脂質異常症という。
d パンテチンは、LDLの産生を高める作用があるとされる。
下欄
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
解説
- 正 :HDLは末梢組織から肝臓へ運ぶ。
- 正
- 誤 :LDL140mg/dL以上、HDL40mg/dL 未満、中性脂肪150mg/dL 以上のいずれかである状態を、脂質異常症と言う。
- 誤 :LDLの異化排泄を促進し、HDL産生を高める。
正解 1
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問24 貧血用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せを下欄から選びなさい。
a 補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で、硫酸銅が配合されている場合がある。
b 鉄分の吸収は空腹時のほうが高いとされているが、消化器系への副作用を軽減するには、食後に服用することが望ましい。
c 葉酸は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。
d 服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがある。
下欄
a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 正 誤 正
問25 外皮用薬に用いられる抗炎症成分のうち、非ステロイド性であるものの正しい組合せを下欄から選びなさい。
a デキサメタゾン
b プレドニゾロン酢酸エステル
c インドメタシン
d ピロキシカム
下欄
1(a、b) 2(b、c) 3(a、d) 4(c、d)
問26 痔の薬に関する次の記述について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
a 比較的緩和な抗炎症作用を示す成分として、グリチルレチン酸が配合されている場合がある。
b 粘膜表面に不溶性の膜を形成することによる、粘膜の保護・止血を目的として、酸化亜鉛が配合されている場合がある。
c 痔による肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して、組織修復成分であるエフェドリン塩酸塩が配合されていることがある。
d カイカは、主に抗炎症作用を期待して用いられる。
下欄
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)
解説
- 正
- 正 :タンニン酸も同じ薬効を示す。
- 誤 :組織修復成分 =アラントイン、アルクロキサ
- 誤 :カイカ、カイカク=止血作用
正解 1
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問27 肌の角質化、かさつき等を改善する成分を含む外皮用薬に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 いぼに用いる製品については、医薬品としてのみ認められている。
2 尿素は、皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることにより、角質軟化作用を示す。
3 グリセリンは、皮膚の乾燥を改善することを目的として用いられる。
4 サリチル酸は、角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す。
問28 鼻炎用点鼻薬に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として、アドレナリン作動成分が用いられる。
2 ヒスタミンの働きを抑えることにより、くしゃみや鼻汁等の症状の緩和することを目的として、ケトチフェンが配合されている場合がある。
3 鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止することを目的として、セチルピリジニウム塩化物が配合されている場合がある。
4 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の適用範囲は、急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎並びに蓄膿症である。
解説
点鼻薬に限らず、一般用医薬品は原則慢性疾患には適応がありません。
副鼻腔炎が慢性化したものが、蓄膿症であり、蓄膿症には、一般用医薬品の点鼻薬は適しません。
正解 4
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問29 殺虫剤に使用される殺虫成分と成分分類の関係について、正しいものの組合せを下欄から選びなさい。
(殺虫成分) (成分分類)
a ペルメトリン ― ピレスロイド系殺虫成分
b プロポクスル ― オキサジアゾール系殺虫成分
c ピリプロキシフェン ― 有機塩素系殺虫成分
d プロペタンホス ― 有機リン系殺虫成分
下欄
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)
解説
- 正
- 誤 :プロポクスル=カーバメイト系殺虫成分
- 誤 :ピリプロキシフェン=昆虫成長阻害成分で、有機塩素系ではない
- 正
正解 2
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問30 抗真菌成分に関する次の記述について、誤っているものを1つ選びなさい。
1 スルコナゾール硝酸塩は、副作用としてかぶれ、腫れ、刺激感等が現れることがある。
2 シクロピロクスオラミンは、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。
3 ウンデシレン酸は、患部を酸性にすることで、皮膚糸状菌の発育を抑える。
4 ピロールニトリンは、菌の呼吸や代謝を妨げることにより、皮膚糸状菌の増殖を抑える。
出題範囲の解説ページまとめ
問21:第3章-13日目:Ⅵ 婦人薬
問22:第3章-1日目:Ⅰ-①かぜ薬
問23:第3章-10日目:Ⅳ-① 強心薬 、高コレステロール
問28:第3章-15日目:Ⅷ 点鼻薬