2018年【富山 石川 岐阜 静岡 愛知 三重】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第2章 人体の働きと医薬品 問1~10
問1 消化器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ペプシノーゲンは胃酸によって、タンパク質を消化する酵素であるペプシンとなり、胃酸とともに胃液として働く。
b 消化液に含まれる消化酵素の作用によって飲食物を分解することは機械的消化である。
c 小腸は栄養分の吸収に重要な器官であり、内壁の表面積を大きくする構造を持つ。
d 消化管は食道から始まり、肛門まで続く管である。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正
解説
- 正
- 誤:消化酵素による分解は化学的消化であり、機械的消化は咀嚼などです。
- 正:十二指腸の上部を除く小腸には、微絨毛が広がり、表面積を大きくすることで吸収を高めている。
- 誤:消化管は口腔から始まり、肛門まで続く管です。
正解 3
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問2 肝臓、胆嚢及び胆汁に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 肝臓は、ビタミンAやD等の脂溶性ビタミンの貯蔵臓器であり、ビタミンB6やB12等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器でもある。
2 胆汁酸やホルモン等の生合成の出発物質となるコレステロール、フィブリノゲン等の血液凝固因子、アルブミン等、生命維持に必須な役割を果たす種々の生体物質は、胆嚢において 産生される。
3 胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、腸管内に排出されると、腸管内に生息する常在細菌(腸内細菌)によって代謝されて、糞便を茶褐色にする色素となる。
4 胆汁には、古くなった赤血球や過剰のコレステロール等を排出する役割がある。
問3 大腸に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 大腸は、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、肛門からなる管状の臓器である。
b 大腸では、水分とナトリウム、カリウム、リン酸等の電解質の吸収が行われる。
c 糞便は、通常、直腸に滞留している。
d 大腸の腸内細菌による発酵で、糞便の臭気の元となる物質やメタン、二酸化炭素等のガスが生成される。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
解説
- 誤:大腸は上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる臓器です。
- 正
- 誤:糞便は通常、下行結腸、S状結腸に滞留している。ポイントは直腸に便が送られると、便意が起こるため、通常は直腸は空です。
- 正
正解 3
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問4 呼吸器系に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 喉頭は、鼻腔と口腔につながっており、消化管と気道の両方に属する。
b 扁桃はリンパ組織(白血球の一種であるリンパ球が密集する組織)が集まってできていて、 気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。
c 鼻腔で分泌される鼻汁にはリゾチームが含まれ、気道の防御機構の一つとなっている。
d 肺では、肺胞の壁を介して、心臓から送られてくる血液から酸素が肺胞気中に拡散し、代わりに二酸化炭素が血液中の赤血球に取り込まれるガス交換が行われる。
1(a、b)
2(b、c)
3(c、d)
4(a、d)
解説
- 誤:設問は咽頭の説明文です。喉頭は気道に属し、声帯がある場所です。
- 正
- 正
- 誤:二酸化炭素が肺胞気中に拡散し、代わりに酸素が赤血球に取り込まれる。
正解 2
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問5 循環器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 消化管壁を通っている毛細血管の大部分は、門脈と呼ばれる血管に集まって腎臓に入る。
b 動脈にかかる圧力は比較的低いため、血管壁は静脈よりも薄い。
c 血液の粘稠性は、主として血中脂質量で決まり、血漿の水分量や赤血球の量はほとんど影響を与えない。
d 血管系は心臓を中心とする閉じた管(閉鎖循環系)であるのに対して、リンパ系は末端がリンパ毛細管となって組織の中に開いている開放循環系である。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
解説
- 誤:腎臓ではなく、肝臓に入ります。
- 誤:動脈にかかる圧力は強いため、血管壁は静脈より厚い。
- 誤:血液の粘稠性は、水分量と赤血球の量で決まり、毛中脂質量はほとんど影響を与えない。
- 正
正解 4
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問6 血球に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 赤血球は、アメーバ状の細胞で、血液全体の約80%を占め、赤い血色素(ヘモグロビン) を含む。
b 好中球は、白血球の約5%と少ないが、強い食作用を持つ。
c 単球は、白血球の約60%を占め、血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができない。
d リンパ球は、リンパ液中に分布しており、血液中には分布していない。
a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 誤
5 誤 誤 誤 誤
解説
- 誤:赤血球は中央がくぼんだ円盤状の細胞で、血液全体の40%を占めます。
- 誤:設問は単球の説明文です。好中球は白血球の60%を占め、細菌やウイルスを食作用によって分解します。
- 誤:単球は白血球の5%を占めて、血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができる。
- 誤:リンパ球は血液のほか、リンパ液にも分布しています。
赤血球のイメージ
正解 5
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問7 泌尿器系に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 糸球体の外側を袋状のボウマン嚢が包み込んでおり、これを腎小体という。
2 尿細管では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。
3 高齢者では、膀胱や尿道の括約筋の働きによって排尿を制御する機能が低下し、また、膀胱の容量が小さくなるため、尿失禁を起こしやすくなる。
4 腎臓には内分泌腺としての機能はない。
問8 目に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 雪眼炎(雪目ともいう)は、紫外線を含む光に長時間曝され、角膜の上皮に損傷を生じた状態である。
b 涙液分泌がほとんどない睡眠中や、涙液の働きが悪くなったときには、滞留した老廃物に粘液や脂分が混じって眼脂(目やに)となる。
c 涙液には角膜や結膜を感染から防御する働きがある。
d 水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
問9 耳に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 外耳は、側頭部から突出した耳介と、耳介で集められた音を鼓膜まで伝導する外耳道からなる。
2 中耳は、鼓膜、鼓室、耳小骨、耳管からなる。
3 外耳道にある耳垢腺(汗腺の一種)や皮脂腺からの分泌物に、埃や外耳道上皮の老廃物などが混じって耳垢(耳あか)となる。
4 内耳は、蝸牛と前庭の2つの部分からなり、蝸牛は、水平・垂直方向の加速度を感知する部分(耳石器官)と体の回転や傾きを感知する部分(半規管)に分けられる。
問10 外皮系に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 皮膚の色は、表皮や真皮に沈着したメラニン色素によるものであるが、毛の色は、メラニン色素と関係がない。
2 メラニン色素は、皮下組織にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、太陽光に含まれる紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。
3 真皮には、毛細血管が通っているが、知覚神経は通っていない。
4 角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のタンパク質(ケラチン)でできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。
解説
- 誤:毛の色もメラニン色素を関係します。
- 誤:メラニン産生細胞は表皮の最下層にあります。
- 誤:真皮には毛細血管や知覚神経の末端が通っています。
- 正
正解 4
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出題範囲の解説ページまとめ
問1~3 :第2章-1日目:Ⅰ-① 消化器系
問4 :第2章-2日目:Ⅰ-② 呼吸器系
問5~6 :第2章-3日目:Ⅰ-③ 循環器
問7 :第2章-4日目:Ⅰ-④ 泌尿器系
問8~9 :第2章-5日目:Ⅰ-⑤ 感覚器官