2018年(H30)【奈良】
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第3章 主な医薬品とその作用 問21~30
問21 婦人薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。
- トウキは、血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和するほか、強壮、鎮静、鎮痛等の作用を期待して用いられる。
- エチニルエストラジオールは、膣粘膜又は外陰部に適用されるものがあり、適用部位で局所的に薬効を示す。
- 五積散は、女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いられる漢方処方製剤であり、構成生薬にマオウを含む。
- 桂枝茯苓丸は、女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いられる漢方処方製剤であり、構成生薬にカンゾウを含む。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
解説
- 正:その他、センキュウやジオウが同じ効果を期待して用いられる。
- 誤:エチニルエストラジオールは、適用部位から吸収されて循環血液中に移行する。
- 正
- 誤:桂枝茯苓丸は、カンゾウを含みません。
正解 3
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問22 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。
- ベラドンナ総アルカロイドは、鼻腔内の刺激を伝達する交感神経系の働きを抑えることによって、くしゃみを抑えることを目的としている。
- ジフェンヒドラミンを含む成分については、吸収されたジフェンヒドラミンの一部が乳汁に移行して乳児に昏睡を生じるおそれがある。
- 抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンの働きを抑える作用以外に抗コリン作用も示すため、排尿困難や口渇、便秘等の副作用が現れることがある。
- 葛根湯加川芎辛夷は、鼻の症状を主とする人に適する漢方処方製剤である。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
問23 歯痛・歯槽膿漏薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。
- 歯痛薬は、歯の齲蝕(むし歯)が修復されることにより歯痛を応急的に鎮めることを目的とする一般用医薬品である。
- イソプロピルメチルフェノールは、歯肉溝での細菌の繁殖を抑える殺菌消毒成分である。
- カミツレは、キク科のカミツレの頭花を基原とする生薬で、抗炎症、抗菌などの作用を期待して用いられる。
- トコフェロールコハク酸エステルカルシウム は、炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して配合されている。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
解説
- 誤:歯痛薬は、痛みを鎮めますが、修復の効果はありません。
- 正
- 正
- 誤:トコフェロールコハク酸エステルカルシウム(ビタミンE)は歯周組織の血行を促します。
正解 1
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問24 鼻炎用点鼻薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。
- 鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみ、頭重(頭が重い)の緩和を目的として、鼻腔内に適用される外用液剤であるが、花粉症に適用する医薬品ではない。
- ヒスタミンの働きを抑えることにより、くしゃみや鼻水等の症状を緩和することを目的として、フェニレフリン塩酸塩が配合されている場合がある。
- 鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として、リドカイン塩酸塩が配合されている場合がある。
- 局所(鼻腔内)に適用されるものであるが、成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある。
1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)
解説
- 誤:花粉症など、アレルギー性鼻炎に使用される。
- 誤:フェニレフリン塩酸塩は交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる。
- 正
- 正
正解 4
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問25 次の眼科用薬の配合成分とその配合目的の組み合わせについて、正しいものを1つ選びなさい。
<配合成分> <配合目的>
- プラノプロフェン ― 視力調整等の反応を改善する作用
- コンドロイチン硫酸ナトリウム ― 目の調節機能を改善する作用
- ネオスチグミンメチル硫酸塩 ― 肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑える作用
- ホウ酸 ― 炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用
- アスパラギン酸カリウム ― 新陳代謝を促し、目の疲れを改善する作用
解説
- 誤:プラノプロフェンは、非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs)であり、プロスタグランジンの生成を抑制し炎症を抑える。
- 誤:コンドロイチン硫酸ナトリウムは、結膜や角膜の乾燥を防ぐ。
- 誤:ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼを阻害し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善します。
- 誤:ホウ酸は、洗眼薬として用時水に溶解し、結膜嚢の洗浄・消毒に用いられます。
- 正
正解 5
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問26 次の記述に当てはまる漢方処方製剤として、最も適切なものを1つ選びなさい。
体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、口渇があるものの排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、痒み、夜尿症、しびれに適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
1 黄連解毒湯
2 柴朴湯
3 当帰芍薬散
4 六味丸
5 桂枝加芍薬湯
解説
それぞれのキーワードを解説
- 誤:黄連解毒湯:「いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血」、「二日酔い」
- 誤:柴朴湯:「咽喉、食道部に異物感」「小児喘息、気管支喘息」
- 誤:当帰芍薬散:「産前産後あるいは流産による障害」
- 正:六味丸:「尿量減少又は多尿」、「手足のほてり」、「排尿困難」
- 誤:桂枝加芍薬湯:「しぶり腹」、「下痢、便秘」
正解 4
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問27 殺菌消毒成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。
- アクリノールは、真菌、結核菌、ウイルスに対する殺菌消毒作用がある。
- クロルヘキシジン塩酸塩は、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はない。
- ポビドンヨードは、ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたものである。
- チモール は、細菌や真菌類のタンパク質を変性させることにより殺菌消毒作用を示す。
1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)
解説
- 誤:アクリノールは、一般細菌類の一部に殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない
- 正
- 誤:ポビドンヨードは、ヨウ素をポリビニルピロリドンと呼ばれる担体に結合させて水溶性にしたもの
- 正
正解 3
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問28 外皮用薬に用いられるステロイド性抗炎症成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。
- 副腎皮質ホルモンと共通する化学構造を持つ主な成分として、デキサメタゾンやプレドニゾロン酢酸エステルがある。
- 広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎に適している。
- ステロイド性抗炎症成分をコルチゾンに換算して1g又は1mL中に0.025mgを超えて含有する外皮用薬では、特に長期連用を避ける必要がある。
- 末梢組織の免疫機能を向上させる作用を示す。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
解説
- 正
- 誤:一時的な皮膚症状(ほてり・腫れ・痒み等)の緩和が目的であり、広範囲や慢性的な皮膚症状は対象ではない
- 正
- 誤:末梢組織の免疫機能を低下させることで、炎症を抑える
正解 3
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問29 外皮用薬に用いられる非ステロイド性抗炎症成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。
- ケトプロフェンは、主に皮膚の炎症によるほてりや痒み等の緩和を目的として用いられる。
- ジクロフェナクナトリウムは、主に筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫等に伴う痛みを鎮める目的として用いられる。
- インドメタシンは、皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を抑える。
- フェルビナクは、殺菌作用を有するため、皮膚感染症に対しても効果がある。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正
問30 次の抗菌作用又は抗真菌作用を有する成分とその配合目的の組み合わせについて、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。
<配合成分> <配合目的>
- オキシコナゾール硝酸塩 ― 皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより、その増殖を抑える。
- ブテナフィン塩酸塩 ― 菌の呼吸や代謝を妨げることにより、皮膚糸状菌の増殖を抑える。
- シクロピロクスオラミン ― 皮膚糸状菌の細胞膜に作用して、その増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げることにより、そ の増殖を抑える。
- ウンデシレン酸亜鉛 ― 患部をアルカリ性にすることで、皮膚糸状菌の発育を抑える。
1(a、b) 2(a、c)
3(b、d) 4(c、d)
解説
- 正
- 誤:ブテナフィン塩酸塩は、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げ、増殖を抑えます。
- 正
- 誤:ウンデシレン酸亜鉛は、患部を酸性にすることで皮膚糸状菌の発育を抑える。
正解 2
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2018年 奈良の過去問題
内容 | 問題(解説付き) | 模擬試験用(解説なし) | |||
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 1~10 | 11~20 | |||
第2章 人体の働きと医薬品 | 1~10 | 11~20 | |||
第3章 主な医薬品とその作用 | 1~10 | 11~20 | 21~30 | 31~40 | |
第4章 薬事関係法規・制度 | 1~10 | 11~20 | |||
第5章 医薬品の適正使用・安全対策 | 1~10 | 11~20 |
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