2018年(H30)【鳥取 島根 岡山 広島 山口】
登録販売者の過去問題を解説しています。
疑問が残った際は出題範囲の解説ページを載せていますので、ぜひ参考にしてください。
第3章 主な医薬品とその作用 問11~20
問 11 以下の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適するものはどれか。
体力中等度をめやすとして、幅広く応用できる。気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、咳、 しわがれ声、のどのつかえ感に適すとされる。
1 葛根湯
2 半夏厚朴湯
3 五虎湯
4 神秘湯
解説
キーワードを説明
- 誤:葛根湯=感冒の初期、肩こり、筋肉痛
- 正:半夏厚朴湯=咽喉・食道部に異物感があり、しわがれ声
- 誤:五虎湯=咳が強くでる人の咳
- 誤:神秘湯=喘鳴、痰が少ない人の小児喘息、気管支喘息、気管支炎
正解 2
出題範囲のページ
問12 口腔咽喉薬・うがい薬(含嗽薬)及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- トローチ剤やドロップ剤は、有効成分が口腔内や咽頭部に行き渡るよう、口中に含み、噛まずにゆっくり溶かすようにして使用されることが重要である。
- ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用される場合、結果的にヨウ素の摂取につながり、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性がある。
- 咽頭の粘膜に付着したアレルゲンによる喉の不快感の症状を鎮めることを目的として、セチルピリジニウム塩化物が配合されている場合がある。
- 炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して、デカリニウム塩化物が配合されている場合がある。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 正 正
問 13 胃の薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- 制酸成分を主体とする胃腸薬については、酸度の高い食品と一緒に使用しても胃酸に対する中和作用には影響がない。
- 炭酸マグネシウムは、胃酸の中和作用のほか、胃粘膜にゼラチン状の皮膜を形成して保護する作用もあるとされる。
- 消化薬は、炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補う等により、胃や腸の内容物の消化を助けることを目的としている。
- 制酸成分のうちアルミニウムを含む成分については、透析療法を受けている人では使用を避ける必要がある。
1( a,b ) 2( a,c ) 3( b,c )
4( b,d ) 5( c,d )
解説
- 誤:酸度の高い食品と一緒に使用すると中和作用が低下
- 誤:炭酸マグネシウムではなく、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの説明文
- 正
- 正:アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を引き起こす場合があるため
正解 5
出題範囲のページ
問 14 胃の薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- オウバクは、ミカン科のウンシュウミカンの成熟した果皮を基原とする生薬で、香りによる健胃作用を期待して用いられる。
- ユウタンは、クマ科のヒグマその他近縁動物の舌を乾燥したものを基原とする生薬で、香りによる健胃作用を期待して用いられる。
- 消化管内容物中に発生した気泡の分離を促すことを目的として、セトラキサート塩酸塩が配合されている場合がある。
- ピレンゼピン塩酸塩は、排尿困難の症状がある人、緑内障の診断を受けた人では、症状の悪化を招くおそれがある。
解説
- 誤:香りではなく、苦味のある健胃作用
- 誤:香りではなく、苦味のある健胃作用
- 誤:セトラキサート塩酸塩ではなく、ジメチルポリシロキサン
- 正:抗コリン作用のため
正解 4
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問 15 止瀉薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状に用いられるほか、食あたりや水あたりによる下痢にも用いられる。
- 次硝酸ビスマスは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分であるため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。
- ベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリンに含まれるベルベリンは、生薬のオウバク やオウレンの中に存在する物質のひとつであり、抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持 つとされる。
- 腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させることを目的として、木ク レオソートが配合されている場合がある。
解説
- 誤:ロペラミド塩酸塩は食あたりや水あたりによる下痢には不適
- 誤:次硝酸ビスマスではなく、タンニン酸アルブミン
- 正
- 誤:木クレオソートは腸内殺菌成分
正解 3
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問 16 腸の不調を改善する目的で使用される漢方処方製剤に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- 大黄牡丹皮湯は胃腸が弱く下痢しやすい人に適している。
- 桂枝加芍薬湯は構成生薬としてカンゾウを含む。
- 大黄甘草湯は体力中程度以下の人にのみ使用される。
- 麻子仁丸の構成生薬にダイオウは含まれない。
問 17 胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が速くなる(頻脈)おそれがある。
- アミノ安息香酸エチルは、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、6歳未満の小児への使用は避ける必要がある。
- パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すとされ、抗コリン成分と同様に、胃液分泌を抑える作用もある。
- 消化管の粘膜及び平滑筋に対する麻酔作用による鎮痛鎮痙の効果を期待して、チキジ ウム臭化物のような局所麻酔成分が配合されている場合がある。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 正 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 誤 誤
問18 浣腸薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 腹痛が著しい場合や便秘に伴って吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症(腸管の 狭窄、閉塞、腹腔内器官の炎症等)の可能性があり、浣腸薬の配合成分の刺激によって その症状を悪化させるおそれがある。
- 浣腸薬は、直腸内に適用される医薬品であり、繰り返し使用すると直腸の感受性が高まり効果が強くなる。
- 半量等を使用した注入剤は、残量を密封して冷所に保存すれば、感染のおそれがなく再利用することができる。
- ビサコジルは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられる。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 正 誤
解説
- 正
- 誤:繰り返し使用すると感受性が低下し効果が弱くなる
- 誤:感染のおそれがあるため、再利用は避ける
- 誤:ビサコジルではなく、炭酸水素ナトリウム
正解 1
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問19 駆虫薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- 消化管から吸収されたサントニンは主に肝臓で代謝されるが、肝臓病の診断を受けた人では、肝障害を悪化させるおそれがある。
- ピペラジンリン酸塩は、副作用として痙攣、倦怠感、眠気、食欲不振、下痢、便秘等が現れることがある。
- 複数の駆虫薬を併用すると駆虫効果が高まるが、副作用も現れやすくなる。
- パモ酸ピルビニウムは、水に溶けにくく消化管からの吸収が少ないため、ヒマシ油との併用が推奨される。
1( a,b ) 2( a,c ) 3( b,c )
4( b,d ) 5( c,d )
解説
- 正
- 正
- 誤:複数の駆虫薬を併用しても駆虫効果が高まることはなく、副作用が現れやすくなる
- 誤:ヒマシ油と駆虫薬の併用は、駆虫薬が吸収されやすく副作用を生じる危険性が高まる
正解 1
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問 20 強心薬の配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
- ジンコウは、ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬で、微量で強い強心作用を示す。
- ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。
- シンジュは、シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化してい ない、若しくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬で、強心作用のほか、強壮、 血行促進等の作用があるとされる。
- リュウノウは、中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。
1( a,b ) 2( a,c ) 3( a,d )
4( b,c ) 5( b,d )
2018年 鳥取 島根 岡山 広島 山口の過去問題
内容 | 問題(解説付き) | 模擬試験用(解説なし) | |||
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 1~10 | 11~20 | |||
第2章 人体の働きと医薬品 | 1~10 | 11~20 | |||
第3章 主な医薬品とその作用 | 1~10 | 11~20 | 21~30 | 31~40 | |
第4章 薬事関係法規・制度 | 1~10 | 11~20 | |||
第5章 医薬品の適正使用・安全対策 | 1~10 | 11~20 |